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はるか昔に火星北半球の大部分を覆ったと見られる海「アラビア」の海岸線の構造を研究し、同エリアにある火山平原「タルシス」が発生したのは海の形成後であるとの結論に至った。タルシスの出現は37億年前だと見られるが、海はおよそ40億年前、火星が形成された直後に発生したと見られる。
地中の火山活動と放出された温室ガスが火星表面を覆っていた火星の海水や多くの川、湖を温めることで、水が凍らなかったとチームは考えている。その後火山が噴火するようになり、海底が変形することで海岸線と海の深さが変化した。
これらの歪みを全て除くことで、当初の海「アラビア」の姿を見ることができた。そこには現在の地球の海の3%ほどの水量が含まれていた可能性がある。5月にも火星に送られる着陸機「インサイト」が、この仮説の確認に役立つとチームは期待を寄せる。論文は科学誌『ネイチャー』に掲載された。