横田基地にオスプレイ前倒し配備「騙し討ち」「米国の思惑通り」の声

© AFP 2023 / Paul J. RichardsАмериканский конвертоплан CV-22 Osprey
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3日、米軍の輸送機オスプレイが今夏にも横田基地に配備されることが明らかになり、5日には5機のオスプレイが早くも横田基地に飛来した。配備は2019年10月以降を予定していたが、大幅に前倒しした格好だ。この急な決定について日本政府は「米国から3月16日に通告があった」ことを明かしたが、米国の要請に応じ、あえて直前まで情報を公開しなかった。

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「オスプレイ反対東京連絡会」の岸本正人事務局長は、「日本政府のやり方は『騙し討ち』です。米軍機の事故が続く中、配備計画を公表すれば地元から反対の声が出るのは目に見えていますから。東京都や周辺自治体は安全対策について説明を求めているのに、無視されており、不信感を感じています。反対の声を上げる前にオスプレイがもう飛んできてしまっており、押し付け以外のなにものでもありません」と話す。

横田基地が位置する東京都福生市の加藤育男市長は、具体的なオスプレイの飛来スケジュールについて連絡はなかったと明かし、突然の前倒しに驚きを隠していない。加藤氏は9日にも防衛省を訪れ、説明を求める予定だ。

横田基地へのオスプレイ配備計画が最初に報じられたのは2015年5月。米軍は当時、「2017年後半に配備」すると発表していた。しかし2017年3月、パイロットや整備担当者の不足、機体そのものの不足などを理由に、2019年10月以降に延期するとされていた。

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延期が一転し前倒し配備になったことについて、日本政府は肯定的だ。菅官房長官は4日の記者会見で、オスプレイ配備の意義について「日米同盟の抑止力・対処力を向上させ、日本の防衛およびアジア太平洋地域の安定に資する」と述べた。しかし岸本氏は、「対処力」という表現に疑問を感じると指摘している。

岸本氏「対処力というのは攻撃する能力です。現行の憲法で言えば日本は抑止力しか持てないのに、これがオスプレイの配備理由になってしまうことに危機感をおぼえます。また、配備延期の理由が複数ありましたが、この1年間の間に本当にすべての問題が解決されたのでしょうか。地元住民との対話も一切なく、本当に、米国の思惑だけで物事が動いているのだと感じます」

陸上自衛隊もオスプレイ導入を検討している。佐賀空港に配備する前提で議論が行なわれていたが、2月5日に民家に自衛隊のヘリが墜落し隊員2人が死亡したことを受け、実質凍結されている。岸本氏は「佐賀で反対されているので、木更津に暫定配備という案もあります。しかし地元はどこも受け入れないムードができているので、なおのこと(今回の横田基地への配備を)隠していたかったのではないでしょうか」と話している。

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