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国際的リーダーシップを保つため、米国はアジア太平洋地域でも武力権の適用を放棄しそうにない。同地域では米国、ロシア、中国という核兵器を所有した軍事政治大国の国益が絡み合っている。このため、米国は同地域での同盟国の武装を進め、軍拡競争を加速させている。
こうした見方を、ロシア連邦軍参謀本部情報総局のイーゴリ・コスチュコフ第一副長官が示し、これを支持する複数の論拠を出した。中国抑制とロシアへの対抗のため、米国は同地域で日本、韓国、オーストラリアとのコントロール下にある軍事・政治的同盟を強化しているという。
米国の説明によると、こうした力による行動は外交努力を効果的に補完し、将来的に交渉を成功させる環境を作る助けになる。その1つに、朝鮮半島危機の解決がある。
5月までに予定される米朝首脳会談の肯定的な結果として、トランプ米大統領は「世界にとって最も素晴らしい取引ができるかもしれない」と述べた。しかしトランプ氏の多義的な発言は、首脳会談終了後にのみ評価できるとコスチュコフ氏は指摘する。
朝鮮半島危機に加え、アジア太平洋地域では地域的な係争が続いており、時に加熱する。状況によって、これらの係争は軍事的緊張の高まりにつながりかねないとコスチュコフ氏は述べる。
「例として、南シナ海で常に起きる事件や航路の管理をめぐる争いが挙げられる。米国は日中間やベトナムとフィリピンの領土を巡る対立を国際化しようとしている。米国は公平な仲裁人として振る舞うと同時に、同盟国やパートナー国を米国とのより緊密な連携へと促している。」
2017年、米国で制裁によって米国の敵に対抗する法が成立した。米国が愛する原則「強さによって平和を保つ」(preserving peace through strength) の結果は中東や北アフリカのホットスポットに見られる。太平洋地域の歴史にもまた、米国が直接介入した結果始まった血濡れた戦争や衝突の例が多くある。朝鮮半島やベトナムでの戦争の結果は今に至るまで人びとの記憶から拭い去られていないとコスチュコフ氏は指摘する。