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インドは、太陽光発電市場におけるリーダー国の一つになる決意を示している。その気候特性からみると、インドは太陽光発電のためにつくられたような国だ。インドでは平均して年間300日が晴れ。さらに2011年にインドでは、2022年までにインドが太陽光発電市場における世界の主要プレーヤーの1国としての地位を獲得するためのプログラム「ナショナル・ソーラー・ミッション(National Solar Mission)」がスタートした。2010年にインドでは161メガワットの太陽光発電設備が設置されたが、今年3月の時点でその規模は2万587メガワットに増加した。2015年、インド政府は2022年までに太陽光エネルギー開発に1000億ドルを投資し、2022年までに総出力10万メガワットの太陽光発電設備を設置する用意があることを発表した。
日印合意の裏には、日本の大手企業ソフトバンクグループの関心がある。India Times紙はインド・エネルギー省関係者の話として、ソフトバンクグループ社長の孫正義氏は、電力のドル建て料金プランの設定と、生産されたすべての電力を購入するというインド政府の保証と引き換えに、インドでの太陽光エネルギー開発に2030年までに約1兆ドルを投資する用意があると報じた。India Times紙によると、孫氏はインドのモディ首相並びにシン・エネルギー相と会談したという。
すなわち日本側は、インド政府の10倍超の資金をエネルギーに投資することを提案している。一方、インド政府はドル建て料金プランへの移行や、保証の提供を急いではいない。例えば、ルピーの米ドルに対する為替レートの急激な変化といった通貨リスクにより、保証が実行不可能となる可能性がある。今のところインド政府は日本側にそこで条件と料金プランが個別に規定される電力供給契約(Power Purchase Agreement:PPA)の締結について考えるよう提案している。この場合、ドル建て料金プランでの支払い義務のすべては消費者が負うことになる。
もちろん日本側の提案は異例のものであり、インド政府は断りたくはない。インド政府はむしろ日印省庁間合意の署名で同提案への関心をゆるぎないものとした。すべての問題は、適切な金融スキームを作成することのみにある。双方がそれぞれにとって満足のいく形を見つけ、この大規模プロジェクトの実現に着手した場合、これは日本のビジネスにとって最大規模の海外投資プロジェクトの一つとなる。