初の歌舞伎海外公演から90年、ロシアで記念へ 俳優が訪露に期待することは?

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1928年8月、モスクワとレニングラード(現サンクトペテルブルク)の最良の劇場で、日本国外で初めて歌舞伎が上演された。ちょうど90年後、近松門左衛門の最良の劇が「ロシアにおける日本年」の一環でロシアで上演される。在東京ロシア大使館で開かれた記者会見で21日、演者と開催側がロシアに関する思い出と訪露への期待を語った。

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今回のロシア公演は伝説的なものになると約束されている。松竹大歌舞伎・近松座は国外初の公演90周年とロシアでの5回の上演を祝い、チェーホフ記念演劇祭と「ロシアにおける日本年」に参加する。9月9日〜22日にかけて、モスクワにあるモスソヴェト記念劇場とサンクトペテルブルクの大ドラマ劇場で「傾城反魂香」「吉野山」を上演する。駐日ロシア大使のガルージン氏は、この公演が露日間の相互理解を強固にするために非常に大きな貢献をすると指摘した。

大使館での記者会見に出席した森喜朗元首相によると、歌舞伎座招待の発起人はプーチン大統領である。

2016年の露日の首脳会談で両国における文化交流年にしようということになりました。昨年2017年6月、エカテリンブルグ訪問でプーチン大統領とお目にかかりまして、その夜、ひと月早い私の誕生日を祝ってくださったんです。その時、一緒にお食事をして祝辞をいただきました際に、『安倍との間にできた交流に歌舞伎を頼むよ』と、『自分も直接見たんじゃないが、あの時の演目は好評だった』という話が出まして、私も『出来るだけ努力しましょう』と言いまして帰国後、すぐ坂本氏とお会いしたわけです。

最後に歌舞伎がロシアを訪れたのは2003年のことだ。歌舞伎俳優、中村鴈治郎は次のように語った。

私は15年前、2003年にロシア公演に出させていただきました。当然、人生で初めてロシア公演に出させていただいたわけです。ロシアという国がこれからどうなるのだろうと大変興味を持った覚えがあります。それと同時に先ほど迫本社長のお話にありましたが、ロシアの方々が国民性として舞台芸術というものに対して大変関心が高いということをつくづく感じた公演でした。

© Sputnik / Anastasia Fedotova中村鴈治郎と中村扇雀
中村鴈治郎と中村扇雀 - Sputnik 日本
中村鴈治郎と中村扇雀

鴈治郎は、ロシアの観衆が日本語で行われる劇を理解して評価できるか気を揉んだが、言語による障害は起きなかったと語る。そして、次のような期待を寄せた。

父の坂田藤十郎(三代目中村鴈治郎)ですが、今回近松座として再び訪露公演があることを大変喜んでおりますし、光栄だと伝えてくれと申しておりました。私もロシアでまた歌舞伎ができることを大変楽しみで、皆様に喜んでいただきたいのと、また、どんなものができるか思っております。

松竹の迫本淳一代表取締役社長にとって、この公演は個人的な話だ。90年前に祖父はソ連を訪れた劇団長だったとして次のように語った。

当時のことを書いた本にソビエト公演について一項目がありますが、今回と同じくモスクワとレニングラードで23日間の公演をさせていただいておりまして、当時ソビエトのお客様の外国の芸術に対する干渉能力が大変高いと感動して書いております。

迫本氏によると、祖父はスタニスラフスキーやエイゼンシュテインなどの伝説的なソ連の監督らと交流した。

私どもの歌舞伎をロシアの方々にごらんいただける機会をいただきまして、私も楽しみにしておりますし、日露の文化交流に少しでも微力ながら貢献出来ましたらと思っております」と迫本氏は述べた。

ロシアと日本の露日交流年の主催側が指摘するところ、歌舞伎の公演は鮮やかな文化イベントになる。公演によりロシア人は疑いなく、それまでは知らなかった日本を目にすることができるだろう。

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