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ロシアでは、特にモスクワではキックボードは子どもだけが乗る遊具ではすでにない。大学へと急ぐ学生たち、スーツ姿のビジネスマンもオフィスへの通勤にキックボードを蹴っている。これがモスクワでオープンしたばかりのこの手のビジネスが、世界のトップに躍り出るチャンスを有している理由だ。「ロシア新聞」紙の報道では、投資家らの2019年末までにレンタル台数を1万6千台にまでのばすため、およそ1500万ユーロの投資計画を明らかにしている。
モスクワにおける電動「キックシェアリング」第1号、「デリサモカート(ロシア語訳のキックシェアリング)」は「カーシェアリング・ロシア」「デリモビール」の傘下で5月18日にスタートした。それからわずか1週間後、今度はカーシェアリングの「YouDrive」を基盤に別の電動「キックシェアリング」がスタートしているほか、6月初旬にも別の「サモカート・シェアリング」が営業を開始する。
利用するにはアプリケーションをダウンロードし、登録を済ませるだけですぐにレンタルができるポイントがすべて表示される。登録にはユーザー情報の入力の他、パスポートの写真とのセルフィーおよび引き落としがされる銀行カードを張り付ける必要がある。キックボードの返却はどこのポイントで行ってもよい。
キックボードのレンタルステーションは都心およびモスクワ第3リング内に点在しているが、「デリサモカート」は将来的にはモスクワ市内のGPSでマークされた広場であればどこでも返却が行えるよう計画しているほか、ロシアの他の大都市でもキックシェアリングを始動する。
お値段だが、比較的安価で1時間のレンタル料金は「デリサモカート」では100ルーブル(およそ174円)、「YouDrive」では毎分5ルーブル(8.7円)ほど。
数年前にスタートしたモスクワのレンタサイクルは2018年記録をどんどん更新しており、春のサービス再開から2週間で32万台が貸し出された。この数値は昨年比の2倍。今年、ステーションはさらに50か所、自転車台数も500台増やされたものの、晴天の休日には都市でレンタサイクルをゲットするのは至難の業となっている。モスクワ市内のレンタサイクルは現在、430のステーションで4120台が貸し出されている。