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モスクワでの31日の2プラス2開催に関連して、下斗米教授は、「今回の2プラス2の開催は時宜にかなったものである。それは東アジアの新しい地政学的かつ戦略的変貌の予感の下で開かれるからだ」と述べた。
下斗米教授は変化の兆候を、6月12日のシンガポールでのトランプ米大統領の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正恩委員長との会談と、7月16日のヘルシンキでのロシアのプーチン大統領のトランプ大統領との会談の総括の中に見出している。
ただ、下斗米教授は、「もちろん北朝鮮の非核化とか、米露関係などで具体的に新しい可能性がすぐ開かれる可能性は少ない。そしてこれらにおける日露関係での戦略的対話体である2プラス2が新しい具体性を可能とするほどの合意はまだない」と述べている。
それどころか、下斗米教授の話によると、むしろ北朝鮮問題では制裁持続を迫りたい日本と、行動には行動で、制裁解除に導きたいロシア側との差は大きい。また地上配備イージス問題でも両者は対立したままで、米国の内政が露米関係の足を引っ張っていることも深刻だ。
先に伝えられたところでは、今回の2プラス2は、日本政府のミサイル防衛(MD)システム「イージス・アショア」配備計画を理由とするロシア政府の不安を背景とし、また核・ミサイル計画打ち切りに向けた用意を示している北朝鮮を巡って変化しつつある情勢の下で開かれる。
それにもかかわらず、下斗米教授は、「それでも東方経済フォーラムで米国以外の5首脳が集まることはロシアの提唱する朝鮮半島非核化での6者協議に近づくことになる」と指摘する。教授が言おうとしているのは、同フォーラムにロシア、中国、日本、韓国の首脳らが参加し、北朝鮮そのものの首脳も参加の可能性があることだ。
それ以外に、トランプ大統領と金委員長によるシンガポールでの首脳会談の結果から判断すると、中国、北朝鮮、米国が朝鮮戦争の正式な終結に関する問題の議論に着手する可能性がある、と下斗米教授は指摘。
「朝鮮戦争停戦の当事者ではない日露だが、これからの変化の予兆に、あるいはそのはらむ問題での日露関係の進展が新しい水準に至る可能性は少なくない」と強調した。