スプートニク日本
広島の被爆者、山本定男さんは昨年7月、国連の核兵器禁止条約採択にあたり、スプートニクとのインタビューで「世界の核大国である米国もロシアも、米国の核の傘の下にある日本も、核兵器禁止条約に参加していません。私たち被爆者にとってこれは本当に悲しいことです。核保有国は率先して核兵器をなくしていこうと声を上げてほしい」と話していた。6日、平和記念式典を終えた安倍首相は記者会見で「アプローチが異なる」として、核兵器禁止条約に参加するつもりがないことを改めて強調した。中日新聞の報道によれば、安倍首相と面会した広島被爆者団体連絡会議の吉岡幸雄事務局長は「私たちの要望に聞く耳を持たず、腹立たしい」と不満を隠さなかったということだ。
今年2月、トランプ政権のもとで、米国防省は新しい核戦略の指針「核体制の見直し(NPR: Nuclear Posture Review)」を発表した。新核戦略の中では、威力を抑えた核兵器の開発や、通常兵器での攻撃に対しても核での報復を辞さないという方針が打ち出されている。日本政府はこれに対し、「米国と安全保障認識を共有し、NPRを高く評価する」と表明している。
これに対し中国・西南大学イラン研究センター長代理の陳俊華氏は「米国の小型核弾頭の開発は現実的な核使用の敷居を下げることになり、軍拡競争の可能性を高める。『中国の脅威』というフレーズを広めることで、自国の核技術発展を正当化している」と批判している。