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1978年に署名した日中平和友好条約の記念日はそれ自体が重要だ。これは両国が2国間関係全体を見直し、実際主義の原理に基いて関係促進を加速させる良い機会だと、モスクワ国立大学アジア・アフリカ諸国大学のアンドレイ・カルネーエフ副総長が指摘した。両国首脳のプラグマティックな選択こそが、適宜「氷を砕い」て、政治的問題への見解の相違が保たれても、貿易経済協力関係を首尾よく進展させることを可能にするためだ。
それ以来、中国は世界第2位の経済大国になった。だが言うまでもなく、協力関係への関心は日中共に保たれている。トランプ氏の政策に関しては、当然、中国と日本は米国が展開する関税戦争に満足していない。そしてこれは、日中のお互いへの関心や、安定した東アジアの社会経済発展を目指して力を合わせることへの関心を高める。
こうしたカルネーエフ氏の見方に、中国・外交学院国際関係研究所の周永生教授は同意した。
「トランプ政権は単独行動主義と保護主義的政治を進め、アメリカ第一主義のスローガンを押し出しながら、世界貿易の規則を無視し、自由貿易システムを弱体化させている。米国は他国へ一方的な制裁を発動している。中国と日本はその制裁対象だ。中国と日本はこれらの問題を自らのものとして感じていると言えるだろう。両国は世界の多国間貿易システムを支持し、その立場は単独行動主義に向かう米国とは矛盾している。」
中国と日本がアジアやその他地域で、インフラ設計などの分野で協力する可能性はあるか?周教授は、そうした協力関係が相互に利益をもたらすと見る。
「中国と日本が一帯一路の枠組みにおいて第3国で協力できれば、中国の投資活動に安定性をもたらし、日本の資本にとっても市場が現れ、双方はお互いの長所を補完して、お互いの利益を引き出せるだろう。」
投資活動への日本式アプローチの長所として、周教授は、「綿密な計算」を挙げ、一方で中国が戦略分野でしばしばリーダーになることを指摘した。