イラン原油の不在が日本経済に与える影響は?

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イラン核合意から5月に離脱した米国は、イランに対する制裁として、11月5日以降にイラン産原油の取引を続ける企業に対して制裁を加えると表明している。日本はこの要求に迎合せず、制裁対象から日本企業を除外するよう求め、攻防が続いている。日本の原油輸入におけるイラン産の割合は5.5パーセントだが、日本は調達先の多様性を確保することに重きを置いている。

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日本メディアは、すでに石油元売り大手が、代替先の調達を急いでいると報じているが、業界関係者はその見方は時期尚早だと話す。

石油連盟の担当者は「日本は制裁除外を求めているが、まだ日米協議の中で明確な回答が出てきていない。原油の調達先をどうするのかというのは各石油会社が個別で対応することだ。通常、石油連盟は石油会社の意見をまとめて国に働きかけるが、今回の件に関しては日本政府の立場は完全に石油連盟の立場と一致しているので、我々から日本政府にわざわざ働きかけるということはない。働きかけるとするなら米国政府の方だが、我々はそれができる立場にはない」と話す。

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出光興産の広報部も「日米協議の成り行きを注視している。一部ではイランに代わる代替先を探しているという報道があるが、それは我々から出た情報ではない」と、あくまでも状況を見守っているという姿勢を強調した。

日本政府は米国の要求をはねつけることができるのだろうか。ロシアを代表する日本学者のドミトリー・ストレリツォフ氏は言う。

「日本にはすでに同様の経験がある。70年代、第四次中東戦争において、中東の国々はイスラエルの動きに反対して、米国を始めとする西側諸国に石油禁輸措置を行い、オイルショックをもたらした。しかし、日本政府はイスラエルとの不和の後、中東の国々との関係改善に努力した。そればかりか、日本は事実上、反米国に回ったと言ってもいい。米国政府のクレームにもかかわらず、原油調達について協議を行なったのだから。日本はまさに自国の需要とエネルギー安全保障の観点から、こういった行動に出たのだ」

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70年代に比べ現在の日米関係は、北朝鮮の脅威や、中国のめざましい軍事力の増強などを背景に、日本にとってより重要なものとなっている。その一方で、70年代ほど、エネルギー需要がないというのも事実だ、とストレリツォフ氏は指摘する。

「イランはもう長い間、制裁下にある。この数年で日本のエネルギー政策は、イランが制裁下にあるということにじゅうぶん対応したものになっており、代わりにサウジアラビアやクウェートから調達できている。ただそれでも中東に8割以上を依存していることには変わりない。異なる選択肢として、東南アジアから別のリソースを受け取るという手もある。日本はインドネシアやオーストラリアなどからかなり多くのガスを調達しているし、ロシアも、石油については、7~8パーセントとそれなりに安定した割合を日本に供給している」

全体として石油をめぐる日本の状況は、危機的なものではない。長期的なプランに立てば、日本はエネルギーバランスにおける石油への依存度を減らそうとしており、今後の優先度が高くなるのは石油ではなくガスだ。ロシアが進めているヤマル半島におけるLNGプロジェクトでの協力も、その意味では高いプライオリティをもつことになるだろう。

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