今回発動した追加関税で、中国製品への関税は2500億ドル相当に上り、米国の輸入額の約半分となる。中国企業や中国に生産拠点を持つ外国企業は、近隣諸国への拠点移転を真剣に検討している。ファッションブランド「Steve Madden」はカンボジアへ、「Tapestry Coach and Kate」はベトナムへの生産拠点移転を検討している。中国での生産量は5%以下になる予定だ。「Vera Bradley」もカンボジアとベトナムを検討。
ハイテク製品メーカーも問題を抱えている。半導体素子メーカーのインテルは最終組立と包装を中国で行っている。そのため中国製と分類され、関税の対象になる。会社はすでに、近隣諸国への移転コストを計算している。アップルもまた、追加関税でイヤホンやアップルウォッチの価格が大幅に可能性があると警告した。トランプ氏は解決策としてアップルに、米国に生産工場を戻すことを助言している。
米国は4月初め、米製品に対し中国が知的権利を侵害していることに対する報復として輸入関税を導入する可能性がある中国製品1300品目からなるリストを公表。一方、中国国務院は、米国から輸入される106品目の製品に対し25%の関税導入を決定した。その結果、あとに続く数カ月にわたって、双方は極めて攻撃的な政策を互いに対して実施してきた。エコノミストらの話では、このことは世界経済を不安定化させる可能性がある。
関連ニュース