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ロシア美術館のウラジーミル・グーセフ館長は、世界的に名高い海洋画家であるアイヴァゾフスキーの作品がサンクトペテルブルクを離れるのは極めて珍しいとしている。しかし、アイヴァゾフスキーの作品が日本を訪れるのはこれで2度目。グーセフ氏は、この事実が日本に対するロシアの特別な関係と敬意の証左だと指摘し、ロシアと日本について語る。
「私たち国民と私たちの国家の運命と歴史は隣人たること、つまりお互いに理解することを運命づけられています。文化と芸術によってこそ、境界を乗り越えて相互理解を達成することができます。これは非常に重要です」
この展覧会は日本におけるロシア年クライマックス級のイベントだ。
駐日ロシア連邦特命全権大使のミハイル・ガルージン氏も開会式で喜びを示した。
「今回、その交流年が東京富士美術館に到来しましたことを、私は特に喜んでいる次第でございます。そういう至宝展のような行事が、日露両国民間の相互理解、相互信頼、相互尊重、善隣をさらに深めることに大きく寄与するとの期待を表明します」
© Sputnik / Anastasia Fedotovaロシア絵画の至宝展 夢、希望、愛ーアイヴァゾフスキーからレーピンまで
ロシア絵画の至宝展 夢、希望、愛ーアイヴァゾフスキーからレーピンまで
© Sputnik / Anastasia Fedotova
ガルージン氏は、持ち込まれた絵画により、日本のオーディエンスがロシア精神と哲学、世界観をより良く理解するよう期待を寄せた。
「ロシアと日本の芸術は共鳴している」との見方をグーセフ氏は示す。
確かに、「第九の波」を富士山の背景に頭の中で配置してみると、この絵は葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」に驚くほど似ている。「神奈川沖浪裏」がモスクワで開催中の「江戸絵画名品展」で、現在プーシキン美術館に展示されていることは象徴的だ。
展覧会にはアイヴァゾフスキーの名品に加え、コンスタンティン・マコフスキー、アルヒープ・クインジ、アレクセイ・サヴラソフ、ウラジミール・ペロフ、イリヤ・レーピン、イヴァン・シーシキン、イサーク・レヴィタンなど同様に名高い芸術家の作品40点が並ぶ。彼らは19世紀後半、農奴制の廃止後にロシアで生まれた芸術運動「移動派」のメンバー。移動派の作品の特徴は迫真性で、主題としてしばしば民衆が選ばれた。
東京に展示された作品はロシア精神を伝えている。ここには結婚式の用意をする農民の少女も、農村の少年も、裸足の作家、レフ・トルストイも、眠る妻を愛でる皇帝イヴァン雷帝もいる。
展覧会の開催期間は12月24日まで。
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