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研究者らは、長寿よりも特に「健康的な老い(ヘルシーエイジング)」に焦点を合わせた。「健康的な老い」とは、心臓病や認知症、がんといった慢性疾患を伴うことなく長生きすること、あるいは、これらの疾患のいずれも伴うことなく65歳を超えてから亡くなることを意味する。
「健康的な老い」に焦点を合わせた理由は、それが実際の幸福(ウェルビーイング)のより良い目印であるからだと、研究論文の共著者であるタフツ大学フリードマン栄養科学政策研究所ポストドクターのハイディ・レイ氏は述べ、「今日では、人々はより長く生きるようになっているが、必ずしも良い健康状態にあるとは限らない」として、「長い人生を送って晩年の大部分を病気の重荷を負った状態で過ごすことを、本当に望む人はいない」と話している。
観察に基づく今回の研究によると、魚やナッツ、葉物野菜、アマニ(亜麻仁)油といった食品から得られる健康的な脂質である「オメガ3系の多価不飽和脂肪酸(EPA、DHA、DPA、ALA)」の血中濃度がより高いことが、健康的に老いることができる可能性がより大きいことと関係があったという。レイ氏は、海産食品(特にマグロやサケ、イワシ、ゴマサバのような脂の多い魚)から得られるオメガ3が最も大きな効果を有しているようだったと述べている。
それと同時に、魚を1週間に2回摂取すると、1回だけの場合よりも、健康的でない老いの可能性がさらに低くなったことが確認された。
注目すべきは、クルミやアマニといったオメガ3の植物性供給源が、それ自体は健康的であるものの、これらの化合物は魚に含まれる脂肪酸とは「異なる形で体内で処理され」(レイ氏)るため、異なる結果につながるだろうということである。