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米紙ニューヨーク・タイムズなどは19日、トランプ政権がロシアとのINF全廃条約からの撤退を検討しており、ジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)がロシア訪問時に米国の同条約からの撤退を通知する意向だと報じていた。
トランプ大統領は、米国が中距離核戦力の開発を進めていく必要があると指摘した上で、「ロシアは条約違反をしている。それも長年にわたってだ。(当該問題を巡り)オバマ氏がなぜ会談を行ってこなかったのか、なぜ条約から撤退しなかったのか理解できない」と述べた。
中距離・短距離ミサイル廃棄条約は1987年に米国とソ連が調印し、翌1988年発効した。双方は、自国の射程1000から5500キロの中距離ミサイルと、射程500から1000キロの短距離ミサイルを完全に廃棄する義務を負っている。1991年までに合意は遂行され、2001年まで双方の間で総簿査察が続けられた。なお欧州諸国を含めた他の国々は、相変わらず、中短距離ミサイル保有が可能とされている。