米制裁からの離脱は世界的トレンドになるか?

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国際政治の場で、いわゆる対米「不従順の祭典」が形成されている。トランプ米大統領の政策の敵国だけでなく、同盟国も米国の制裁を無視している。これは、イランとの協力、ロシア産ガスの欧州、トルコ、中国への供給、ロシア製兵器の購入のことだ。直近の例はインドだ。米国の警告に反し、インドは10月5日、地対空ミサイルS400「トリウームフ」を購入する数十億ドルの契約をロシアと締結した。

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こうした非依存的な方針は何より、米国からの金銭的な自由を要求する。特に、国際銀行間通信協会(SWIFT=スイフト)に似た、制裁に依存しない決済システムが求められる。システム創設の可能性は今日、諸専門家の大きな関心を呼んでいる。

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毎日各国間で大量の送金が行われている。スイフトの技術の発展は送金を最大限に快適で単純にすることで、極めて短い期間で全世界に送金することを可能にした。このようにスイフトは世界経済の生命線であり、ある国がシステムから締め切られると、深刻な金融問題につながる恐れがある。2012年、欧米は初めて武器としてイランへのスイフトのサービスを打ち切った。これはイラン経済に深刻な悪影響を及ぼした。現在、このような制裁方法をロシアにも講じるか検討されている。

米国がイラン核合意から離脱した後、EUは米制裁に左右されないイランとの貿易メカニズムの設置を支持し、スイフトに依存しない決済システムを検討した。これに続いたのが、ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の苛立ったレトリックだ。ボルトン氏は、米国がEUにもどんな国にも対イラン制裁を迂回させないと表明した。だがドイツのマース外相は、スイフトに依存しない決済システムを作る作業は欧州ですでに始まっていると明らかにした。

だが今のところ確認されるのは、EUがイランで自らの経済的利益を守る準備だけだという見方を、ロシア政府付属金融大学政治学部のゲヴォルグ・ミルザヤン助教授が示した。

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「大規模なビジネスはやはり、イランからすでに去った。EUからの支援を信じていないからだ。だがEUは依然として、自衛計画を隠していない。イラン核合意に関する欧米の意見の相違は、彼らの関係に新たなトレンドを打上げた。欧州連合は米国からの独立を渇求している」

特筆すべきことに、EUは、ロシアとの共同プロジェクト「ノルド・ストリーム2」の実現参加を控えるよう提言する米国も無視した。そして米制裁に反対するEUの「反逆」制圧はおそらく、もう上手くいかないだろう。スイフトに似たシステムは、米国の方針から世界経済システムが被るリスクを下げるための一種の「金融多角化」を目的としていると、ミルザヤン助教授は指摘する。

「世界のほぼあらゆる者にとって、米国の制裁政策が限られたケースではなく、広く用いられ始めた米国の政策なのだと明白になりつつある。そして、(制裁は)近頃までの北朝鮮のような、ならずもの国家に対してだけではなく、時にはスイスなどに対する国にさえ(あり得る)。米国がスイスの銀行に、米国の納税者情報を開示するよう強要したことを思い出すだけで十分だ。実行しなければ制裁だと脅した。こうしてスイスは2009年、数百年ぶりに初めて銀行の秘密を破壊して、信頼おける金融オアシスの地位を失った。モスクワのスイス大使イブ・ロシエ氏が最近、スイスはスイフトに代わるシステム創設に関与する可能性を除外しないと発表したことは驚きではない」

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どのような「制裁的蛮勇」に、米国が対ロシアで入り込んだかを考慮すると、スイフトに代わるシステムは将来的に、イラン核合意だけでなく、ロシアとの協力でもEUにとって重要な役割を果たす可能性がある。ミルザヤン氏はこう指摘する。

「『ノルド・ストリーム2』に対する制裁はまだない。だが米国の制圧が弱まることはない。EUは非常に実利的で、彼らにはロシア産ガスが必要だ。そのためもし新たな決済システムが創設されれば、システムは必ず機能する」

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