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1 起源は米国にあらず、アイルランドが本家本元
ハロウィンといえば米国のお祭りだと思われているが、実はこの伝統が生まれたのはアイルランド。ハロウィンの祭りが生まれたのは今から2000年以上も前で、ケルト文化に源泉を持つとされている。10月31日から11月1日にかけての深夜、異教徒らは冬を迎え、死者への供え物をした。悪霊から身を守るためにケルト人らは獣の毛皮をかぶり、家の明かりを消した。後になり、米国へと渡ったケルト人らがこの伝統を彼の地でも広めた。
2 カボチャじゃなくてカブ
カボチャをくりぬいて「ジャック・オー・ランタン」を作るという風習は米国で生まれた。アイルランド、スコットランド、北欧ではランタン作りにはカブやジャガイモが使われるのが習いだった。この風習が生まれた背景には、ある怠け者で酒好き鍛冶屋の話がある。鍛冶屋は悪魔と取引をしたが、それを果たさぬまま死んだ。ところが死んでも神様にも悪魔にも必要のない存在となったために天国にも地獄にも入ることができず、鍛冶屋の魂は深夜の地上を永遠にさ迷い歩くことになる。鍛冶屋が手にしていたのは小さな炭だけ。鍛冶屋はカブをくりぬき、炭を入れると、暗い道を照らす唯一のすべとしてそれを使ったと言われている。
3 出会いサイト代わりに
10月31日から11月1日にかけての深夜は占いが流行している。たとえばリンゴの皮占い。嫁入り前の女の子たちは剥いたリンゴの皮を肩越しに投げる。落ちた皮の形から未来の夫のイニシャルが分かると言われている。
4 歌って踊る
今どきのハロウィンでは子どもに恐ろしい(またはあまり怖くない)コスチュームを着せて、お菓子をもらいに近所の家を回りに行かせるのが恒例となっている。「スウィート・オア・トゥリート」と呼ばれるこの伝統では、子どもらは「お菓子をくれないならいたずらするぞ」と言って隣人を脅かす。けちんぼでドアもあけようとしない家は何をされるかわからない。今の子どもたちはこのセリフだけでお菓子をもらえるが、昔は歌って踊って詩の朗読をしないとご馳走はもらえなかった。
5 巨大パンプキン・ケーキ
ハロウィンはスーパーマーケットにとってクリスマス商戦に並んでテーマ別のプロダクトがよく売れる稼ぎ時。米国だけでハロウィンの準備に25億ドル近くが費やされている。英国では毎年1千万個のかぼちゃが栽培されるが、その85%が飾りつけ用に使われ、食用に用いられるのはわずか5%。これだけの数のかぼちゃを使ったら英国民全員が食べられるだけの巨大パンプキン・ケーキが焼けるだろうに。
6 有名奇術師フーディーニの死
米国一の奇術師として名声をはせたハリー・フーディーニは1926年10月31日に死去した。霊媒術をいかさまを見抜き、あらゆる場所から脱出できた奇跡の男がいみじくも死者の日であるハロウィンに死んだのは、何かわけがあるはずだという人は後を絶たない。
7 聖バレンタインデーより甘い
ハロウィンを前に売れるお菓子の80%がチョコレート。統計によればハロウィンのチョコレートの売り上げはバレンタインデーを上回っている。例えば米国ではチョコレートキャンディーは10月31日に仮装して家々を回る子どもに配るため、2月14日の2倍も多く売れる。
8 これって子ども向けの祭り?
小さな子どもに仮装させたり、幼稚園でもハロウィンをテーマにしたお祭りを催す国が増える一方だが、それでも全聖人の日はまったく子ども向けの祭りではない。怖い昔話やホラー映画の主人公に仮装した小さな子どもは屈託がなく、可愛いが、この祭りの暗い側面は決して無視してはならない。それはすべてシリアスな話だからだ。ハロウィンは子どものホビーのなかでは最も普及したホビーとなったが、パリのディズニーランドはハローウィン祭は12歳以下のこどもを連れての入館を避けるよう呼びかけている。
9 悪魔のような早業教師
今どきのハロウィンのお祭りといえばやたらコンクールが多い。かぼちゃの「ジャック・オー・ランタン」の顔くりぬき競争もそのひとつ。2008年、ニューヨーク在住の教師スティーヴン・クラークさんが1時間で50個のかぼちゃランタンを作り上げたのが今までの最高記録。つまり1個のランタンを作るのに1分強しかかからなかったことになる。この「恐ろしい」記録はギネスブックに登録されている。
10 これは売りません!
黒猫はハロウィンの重要なシンボルとなっているが、それは魔女を題材にした映画やシリーズ番組でかならずお供に黒猫がでてくるからかもしれない。ハロウィンの前には黒猫の販売を禁じる国もある。これは悪魔信仰の儀式で黒猫がいけにえとして使われる危険性があるため。
11 一番こわ~いのは
世論調査では、最も人気がある映画の主人公はドラキュラ、一番怖い映画はヒッチコックの『サイコ』。
12 死者の日
死者を尊ぶ似たような伝統はメキシコ、グアテマラ、ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドルにもあり、時期もハロウィンとほぼ一致している。これら諸国では11月1日から2日にかけての深夜、カーニバルが行われ、頭蓋骨や女性の衣服を着せた骸骨を模ったお菓子が作られる。言い伝えではこの2日間、死者の魂は自分の生家に帰ってくる。2003年、ユネスコはこの祭りを無形文化遺産に登録。実はこの2日はカトリック教の祝日である「全聖人の日」(11月1日)と「あらゆる魂の日」(11月2日)と同日。
13 偶然の事実
1978年制作の映画『ハロウィン』は予算の切りつめを余儀なくされたため、主役のマイケル・マイヤーズが用いるマスクは一番値段の安いものを使わざるをえなかった。この映画は大盛況で2018年もその続編が上映されている。もちろん続作では予算の問題は生じてはいない。
今日はハロウィン。たくさんの国でお祭りが行われていますが、あなたは参加されますか?#トリックオアトリート #ハッピーハロウィン #ハロウィン
— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) 31 октября 2018 г.