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日本の食料輸入率は45%を上回る。だが米は、日本が食料自給率100%を維持している唯一の食品だ。国内の米農家には多額の補助金が設定されている。さらに、海外の競合相手に対し、極めて高い米の輸入関税を敷いている。
「日本の米輸入関税は700%だ」
「日本、そしてそもそも世界のどの食品も、外国の競合からのこれほどの保護を持っているものはない。米国やタイ、その他の米大生産地は日本市場で分け前を得たいことから、関税を引き下げるよう日本政府に働きかけている。そして、グローバル化の圧力の下、非常に強力な日本の農業ロビー団体でさえ、譲歩を迫られる可能性もある。だがいずれにせよ、日本人の食卓で米は相変わらず、もっとも重要な食品だ」
中国の米の消費量は、中国商務部の統計によると、世界の3割を占める。だが、米の消費減少傾向は眼前に迫っている。中国農業部によると、2016年の中国の米の消費量は1億9400万トンだったが、2017〜2018年には1億4270万トンに減少した。
この変化の原因は日中で共通している。グローバル化と、西欧料理の幅広い浸透だ。
このプロセスの影響が顕著なのは何より、若い世代だ。中国歴史文化研究所のラリーサ・チェルニコワ博士候補は次の見方を示す。
「中国には他国同様、豊富な米料理は確認されていないファーストフードが到来した。今日、小さな子供にとって、マクドナルドに行くことは幸せだ。そこでは誕生日を祝い、学生が授業の後に勉強する。しかもファーストフード店は常に拡大する傾向がある。食生活の変化はもちろん、次世代の体型に影響する。年を追う毎に、中国で肥満児が増加している。中国のテレビではすでに、子供の肥満問題を活発に討議する番組も現れている」
研究者らは、新たな生活条件と食生活の変化はアジア諸国の若者世代の強いアクセラレータになるという見方で一致する。だがロシア連邦栄養生物工学研究所のアレクサンドル・バトゥリン教授は、舌の好みへのグローバル化の影響のプラス面を無視して、警鐘を鳴らすべきではないと指摘する。
多くの研究は、日本の平均寿命が世界一だと示す。だが日本での米消費量の減少とともにこの数値は急変する可能性があると考えるのは、誇張になるだろう。
欧州にあるアンドラでは平均寿命は日本並みに高く、83.5歳となる。これはしばしば地中海料理が長寿の秘訣だと説明されるスペインやフランスと大差ない数値だ。だが、これら諸国では伝統的に肉も多く食べることは広く知られた事実だ。イタリアは平均年齢が80歳以上とかなり高い。だが同国では米をほとんど摂取せず、パスタに並び、多くのパンを食べる。
米がメインの付け合せである中国では、平均寿命は世界的にはかなり長いが、多くの欧州諸国よりはかなり短い。中国国家統計局によると、グローバル化と経済成長が活発に進んでいた2015年の中国の平均寿命は76.34歳になった。これは2010年より18ヶ月長い。