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1. 「忘れえぬ女」などロシア美人
「ロシアのモナリザ」-ロシアの画家イワン・クラムスコイの最も有名な絵「忘れえぬ女」はそう呼ばれている。正体不明の若い女の謎めいた視線は、レオナルド・ダ・ビンチのモナリザが浮かべる笑みに劣らぬ疑問を引き起こす。今日に至るまで、クラムスコイが描いたモデルや絵が秘める意味が推し量られている。一説によると、モデルは皇帝アレクサンドル1世の愛人で、皇帝と別れた後に自殺したジョージアの貴族女性だ。他の説ではクラムスコイは、自身のアンナ・カレーニナのビジョンを描いた。まさに同時期、作家のレフ・トルストイが同名の長編小説を公開した。クラムスコイは1つも記録を残さず、一度もこの女性の正体について口を開かなかった。
神秘的な「忘れえぬ女」に加え、東京にはその他のロシア美人の人物画も持ち込まれた。
2. トルストイ・ドストエフスキー時代のロシア
「ロマンティックロシア」展はロシア絵画の黄金期、19世紀中旬から20世紀初頭をカバーする。展覧会キュレーターのガリーナ・チュラク氏によると、これはロシア画家の手法が「他国からの借用なしに最も独自」だった時期だ。この時期にこそ、ロシア人作家のトルストイやドストエフスキー、チェーホフが不滅の作品を書き上げた。展覧会で展示される作品は、これらの偉大な作家が生き、描写したロシアを目にする可能性を与える。
「ロシアの音楽と文学が日本でどれほどよく知られているか、誰もが知っている。多くの人がトルストイとドストエフスキーを読み、チャイコフスキーは最も人気が高い作曲家の1人だ。ロシア絵画は残念ながら、それほどよく知られていない。Bunkamuraザ・ミュージアムで開く展覧会は、ロシア文学読書時に浮かぶロシアのイメージを補填する」とトレチャコフ美術館のゼリフィーラ・トレグーロワ館長が述べた。
「人間は自然の中で産まれ、生き、自然は人間を教育する。人間の精神は育つ自然環境によって形成される」とキュレーターのチュラク氏は考える。
チュラク氏は、ロシア人画家の風景画を通してロシア人の性格を理解できると言う。展覧会には画家グリゴリー・ミャソエードフによる黄金の秋の悲しき魅力とイヴァン・シーシキンによる「松林の朝(Morning in a Pine Forest)」、イサーク・レヴィタンによる春の洪水がある。
だが冬の風景画こそが日本の人々に特に好かれるはずだと展覧会の企画側は考える。雪の積もった林道、ロシアの三頭立ての馬車(トロイカ)、雪の吹き溜まりの間を進む、刺繍をした金の服を着るお話に出て来るスネグーラチカ(雪娘)。冬のイベントを前に、これらのイメージは訪れた人に魔法のような年末年始の気分を作り出すに違いない。
4. 試すチャンス…ロシア料理を
展覧会は視覚からの印象だけでなく、味覚からの印象も訪れた人に贈るつもりだ。展覧会開催中、複合施設「Bunkamura」内のレストランはロシア料理を提供する。ドゥマゴ パリでは特別メニューとしてビーフ・ストロガノフとブリヌィ(ロシア風クレープ・パンケーキ)を提供し、施設のロビーではボルシチとオリヴィエ・サラダを試せる。展覧会を訪れた人には割引もある。
5. 可愛いチェブラーシカのお土産とプレゼント
Bunkamuraは30周年を記念し、「ロマンティックロシア」展に合わせたもう1つの企画を打上げた。チェブラリーだ。渋谷にあるチェブラーシカのデジタルスタンプを全て集めると、様々なプレゼントを獲得できる。詳細はリンク先から確認できる。
さらに11月11、22日、12月8、16、25日には渋谷区で本物のチェブラーシカに会うことができる!
ミュージアムショップでは展覧会の全期間中、忘れえぬ女の衣装を着た可愛いチェブラーシカのぬいぐるみを購入できる。
展覧会は日本におけるロシア年の一環で行われている。開催期間は2018年11月23日〜1月27日まで。
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