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ヒル紙によれば、対露決議は点呼投票も行われず、全館一致で採択された。この決議は米行政に対する強制的性格を持つものではない。
クリス・マーフィー上院議員は「今日、米上院はウラジーミル・プーチン(露大統領)に対し、アゾフ海でウクライナに対して彼の政府がふるう暴力に黙ってはいないことを示す明確なシグナルを送った。我々は国際規則を一方的に書き換えようとするロシアのいかなる軍事行為も断固として糾弾していく」と語っている。
これより前ホワイトハウスはロシア側に対し、トランプ米大統領はアルゼンチンでのプーチン大統領との会談を取りやめたことを通知していた。ペスコフ露大統領府公式報道官はこれに対して、米大統領府のこうした決定をロシア大統領府は遺憾に思うと声明を表した。
プーチン大統領はケルチ海峡の事件を煽動と呼び、ロシアとの国境侵犯で拘束されたウクライナ船舶3隻の乗員のなかにはウクライナ安全保障庁の職員2人が含まれており、事実上、これらの人物がこの特殊作戦の指揮を執っていたことを明らかにした。その上でプーチン大統領は、ロシアの国境警備隊は国境を保安するという自己の機能を果たしたのであり、黒海における煽動はウクライナ大統領選挙を控えたポロシェンコ大統領の低い支持率に起因したものと強調している。
ロシア連邦保安庁は11月25日午前、3隻のウクライナ船がロシア側に航行の許可を得ずにケルチ海峡に向かい、領海に侵入したと発表した。
ロシア保安庁沿岸警備隊とロシア黒海艦隊の艦船がウクライナ艦船に対し、合法的な停止命令を行った。ところがウクライナ艦船はこれに反応せず、航行を続けたため、ロシア側は違反船舶の強制停止のため、武器を用いた。
ウクライナ海軍の兵士3人が軽傷を負い、治療を受けた。艦船は拿捕された。ロシア大統領府はこの事件を「非常に危険な挑発行為」だと呼んでいる。
ウクライナのポロシェンコ大統領は、黒海での出来事を受けて国内で戒厳令を発令する大統領令に署名した。