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土星の環が徐々に消滅していることは、1980年代に土星の探査を行った無人惑星探査機ボイジャーによって初めてわかった。土星の環を構成する氷の粒子は、土星の磁場の影響を受けて電気を帯び、土星に引き寄せられている。氷の粒子は土星に引き寄せられる途中で溶けて雨になり、土星に降り注いでいる。学者らは、3億年後には環が完全に消滅すると計算した。
だが新たなデータによると、土星の環はもっと早く消滅する可能性があることがわかった。
2017年に土星とその環の間を通過した探査機「カッシーニ」は、何らかの理由で土星の赤道付近では環の崩壊速度が特に速いことを発見した。そこでは毎秒10トンの氷が雨に変わっている。なお別の場所では毎秒1.5トンにすぎない。NASAはこれを考慮し、土星の環が1億年後には消滅してしまう可能性があるとの見方を示している。