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ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所の日本部門のヴィタリー・シュヴィドコ部長は、防衛大綱は平和条約締結交渉に影響しないと答えた。
「これらの間に直接的な関係は全くない。防衛関係費の上昇は、ハイテク部隊を含む本格的な軍事力を求める日本の望みに関係している(タブーは核兵器だけだ)。日本の現政権にとって、これは何より国の威信と安全保障の問題だ。日本の政治階級の大半は現在、経済力に相当する水準に防衛力を高める路線を支持している。日本のエスタブリッシュメント層は、1947年からの20世紀、正常な軍を持てない理由である『侵略国家』という戦後のらく印からの脱却に、日本が疾うに値していると考えている」
また河野太郎外相は昨年12月、同月11日の記者会見で平和条約締結交渉に関する質問に「次の質問をどうぞ」と連発したことを謝罪した。ブログで謝罪した河野氏はその上で、露日交渉について説明責任を果たしていないという批判に対し、不要な影響を引き起こさないためだと方針を説明した。
シュヴィドコ氏はこの投稿に対し、露日双方が全力で情報流出を防ごうとしているとコメントした。
「日本の外相の反応からすると、この問題の交渉は続いている。近い将来に露日政府がお互いに譲歩し交換する一括協定が達成される可能性も除外されない。そして、最終的に一括協定で合意するまで、プレスへの漏えいは一切あり得ないことは分かりきったことだ」
軍事専門家でCIS(独立国家共同体)諸国研究所のウラジーミル・エフセーエフ副所長は、日本の防衛関係費が増大傾向にあることも現在、平和条約締結交渉を難しくしていると確信する。
「日本政府は外政で数十年間、米国の水路に従っていた。その米国は今、中距離核戦力(INF)全廃条約を一方的に破棄しようとしている。この条件下では、日本国内への中距離弾道ミサイル配備は十分現実的だ(地上配備型のイージスアショア2基は2023年までに国内に配備される予定)。それらは第一に中国に向けられるだろうが、ロシアの軍事施設も標的になり得る。ロシアは軍事技術的措置でこの脅威に対応を迫られるだろう。そうした措置には、南クリル諸島での軍事力の増強がある。こうして、日本は自国の安全保障を悪化させる一方だ。なぜなら日本の過去最高となる防衛関係費の予算と米国との戦略的同盟は地域での軍事競争と、ロシアと中国という2国の核大国との競争を暗に意味するからだ」
宇宙空間での防衛部隊設置も日本の国益に寄与しないとエフセーエフ氏は付け加える。これは何より、ミサイル発射を検知するため宇宙に兵器を配備したい米国にとって得な措置だ。2019年度の米国の国防予算によると、この目標のため7160億ドルが拠出される方針だ。
「米国のこの野望は対衛星システム創設へと露中の背中を押す。そして日本が宇宙の平和利用問題を懸念しているなら、宇宙配備型の攻撃システム展開準備に向けた米国の行動抑制政策を日本が発起することもできる。米国政府のこの措置が世界の安全保障問題において最も危険な不安定要素の1つだからだ」