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自動誘導爆弾 「バット(BAT)」
クラスター爆弾の原理で13発の誘導爆弾BATがATACMSミサイル1基に収まることになっていた。想定では、ATACMS1基だけで戦車中隊の全滅が可能。ところがソ連の戦車の脅威は冷戦の終結とともに消えた。プロジェクトは2003年にようやく廃止されたが、22億ドルの血税がこれに費やされた。
攻撃ヘリコプター RAH-66コマンチ
開発には軍用航空予算の40%、79億ドルが費やされた。2004年、無人偵察機を使用する方が簡単で安価につくことが明らかになると、プロジェクトは終了した。
自走榴弾砲クルセイダー
クルセイダー155ミリ榴弾砲は、半世紀以上前に製造された自走榴弾砲M109の代替えとして開発された。クルセイダー自走榴弾砲は、40キロメートル以上の射程距離で毎分最高10発の超高度な速射性を持っていた。しかし、プロジェクトは時代遅れであった。
榴弾砲自体が43トンと非常に重量があるうえに、36トンの砲弾の重さも加わる。当時の米軍は、世界中で使用可能な軽量でコンパクトな武器を求めていた。22億ドルを費やして開発されたクルセイダーは、2002年に「過去の産物」とされた。
フューチャー・コンバット・システム(FCS)
フューチャー・コンバット・システム(FCS)は、クルセイダー自走榴弾砲の破綻を早めた。同プログラムは2003年に正式に開始。、米軍を根底から再装備し、世界中を効率的に移動することを目指していた。
システム内では、すべての部隊、個々の戦闘部隊(兵士、ロボット、戦車など)が共通の情報スペースを使用することを想定。これによって事態への全体の認識レベルが向上し、さまざまな戦闘地区での行動をより適切に調整したり、部隊をより迅速に移送したりできる。しかし、FCSプログラムはあまりに高額につくにも拘らず、高い効率が得られないことがわかり、2009年に終了した。
FCSプログラムの下での技術開発と機器製造が総額3千億ドルを超えた。FCSプロジェクトを凍結する際も国税181億ドルが拠出された。
以前、米国人作家ロバート・ファーリー氏が、米誌『ナショナル・インタレスト』のウェブサイトで、史上最悪の空母ワースト5のリストを発表し、そこにロシア航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」を列挙したことが思い出される。
ファーリー氏は、航空母艦の質の低さが艦船の効率の悪さの原因だが、それを信頼性の高い状態にするためには「ロシアが現在準備できる以上の大きな投資」が必要と指摘していた。
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