スプートニク日本
ふたりはすでに長年にわたってベオグラードに暮らしている。平野さんはベオグラード大学文学部日本語学科の学科長で、大塚さんは記者兼通訳として働いている。
通信社スプートニクは、セルビアに住む日本人たちの記事を準備しています。皆さんはセルビアについてどんなことをご存知ですか?🤔
— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) 5 марта 2019 г.
ふたりの作る「 セルビアちゃんねる」は日本人ツーリストがセルビアで遭遇しうる場面を短いビデオで紹介している他、セルビアの歴史文化にまつわる名所の他、地元料理にも大きく注目した内容となっている。
大塚さんはスプートニクからの取材に対し、「サルマ(バルカン半島特有の発酵キャベツで包んだロールキャベツ)やチェバプチチ(数種のひき肉をたっぷりのスパイスと混ぜてソーセージ状にし、グリルで焼いたもの)といった伝統的なセルビア料理は日本では知られていません。日本の人にもこんなものがあるということを知ってほしいと思ったんです。私たちは伝統的なセルビア料理を楽しめるレストランを見つけました。それから伝統的な家庭料理のアイヴァール(パプリカなどの野菜を焼いてつくるペースと)の作り方や、ラキヤ(発酵した果物を原料とする蒸留酒)やセルビア・ワインの生産を説明したマテリアルも入れました。」と語っている。
大塚さんは、セルビアには日本人ツーリストを文句なしに呼び込める切り札があると太鼓判を押す。「日本でテレビでユネスコ世界遺産を取り上げる人気番組が2つあるおかげで、日本人は旅行先を選ぶ時に世界遺産を大事なキーとして扱っています。この点ではセルビアは非常に豊かなポテンシャルを有し、ストゥデニツァ修道院、ソポチャニ修道院、コソボの中世建造物群、東部のガレリウスの宮殿ガムジグラード=ロムリアーナなどユネスコの歴史文化遺産に事欠きません。
大塚真彦さんは実は「戦場」ジャーナリスト」として輝かしい経歴の持ち主だ。大塚さんは1990年代のバルカン半島の戦争時代に現地で通訳、記者として勤務。1999年、NATOがベオグラードを爆撃した時も市民と運命を共にし、セルビアで実際何が起きているのか、その事実を日本の市民に伝えるため、可能の限りを尽くした。
今、大塚さんは日本とセルビアを結ぶほぼすべてのイベントをコーディネートしている。大塚さんの話では、日本はベオグラード爆撃後、無償の支援プログラムに参加していたものの、プログラム自体の期限はもう終了したため、今はセルビアの南部の発展に少なからぬ支援を続行している。
動画撮影はセルビア人の日本語専門家ブランカ・ヨビチさんなど、多国籍チームで進められている。撮影班は過去1年半に首都ベオグラード他各地で90本もの動画を撮影してきた。フォロワーの数も徐々に増えている。これからの取材プランには有名な音楽祭やたくさんの食の祭典が入っている。
センカ・ミロシュ