わずか5ヶ月の間におきた2件の墜落事故のあと、最新型のボーイング737Maxには疑いの眼差しが向けられた。エチオピア、中国、インドネシアではボーイング737Maxの運用を停止した。ニューヨーク株式市場では11日、ボーイングの株価が10%以上の急落を見せた。
ボーイング737にとっての悪運はただ1つ、その年数だとエバース記者は指摘する。ボーイング737が運用開始されたのは1968年。機体の技術開発やその他全般は、1950年代にさかのぼる。
2011年に米ボーイングが737Maxの開発を始めたとき、CFMインターナショナル社製「Leap」シリーズの燃料効率が良いエンジン搭載がすぐに決定された。同エンジンは長年のライバル、エアバス社の「A320neo」にも搭載されている。エバース記者が説明するところ、このエンジンは驚異のファン直径198cmなどにより、エンジン効率が高い。「長足」のエアバス機はこうしたモンスターに良く耐えているが、ボーイング機の状況はあまり良くない。ボーイング737機は車輪の脚が短く、巨大エンジンを翼の下に収容できない。ボーイング社はエンジンの接続部分を短くし、翼の前方にタービンを配置した。だが結果的に、機体の航空力学も大きく変化した。
エンジンの新たな配置場所により、ボーイング737Maxの機首先端は危険なほど上を向く可能性がある。さらに滅多にない極限状態では、旋回ないし墜落のリスクが高まるとエバース記者は述べる。
ライオン・エアの墜落事故後、ボーイング社は、翌年までにソフトウェアを搭載すると発表した。だがエバース記者が強調するところ、搭載されなかった。ボーイング社上層部はもちろん、どんな独創的なエンジニアでさえこれほど長い737型機の延命は不可能だと、とうに知っている。ボーイング社は先に、2030年に全く新しい後継機の披露を計画していた。だがシュピーゲル誌のエバース記者は、737Maxへの信頼喪失の結果、ボーイング社が数十億ドル規模の新プロジェクトに予定よりもかなり早く取り掛かることになる可能性もあるとまとめる。