中国に新たないらだちの種 水陸機動団の海自艦への配備は日中関係にどう影響するか

CC BY 4.0 / 海上自衛隊 / LST-4003 Kunisaki (Cropped photo)おおすみ型輸送艦
おおすみ型輸送艦 - Sputnik 日本
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読売新聞は、対中国を念頭に政府が南西海域で海上自衛隊艦への陸上自衛隊員配備を検討していると報じたが、これは中国にとっての新たないらだちの種になる。ロシア科学アカデミー極東研究所のワレリー・キスタノフ氏がスプートニクのインタビューに答えた。新たな部隊の展開は、日中関係にどう影響するか?

スプートニク日本

読売新聞は匿名の政府筋の話として、おおすみ型輸送艦で水陸機動団の最大300人が運ばれたと伝えた。水陸機動団は昨年4月、陸自内に編成された。水陸機動団は一部、九州から移り沖縄県の米海兵隊の基地に配備されている。

同紙によると、水陸機動団は来年にも基準排水量8900トンのおおすみ型輸送艦への展開も検討されている。同艦は最大8機のヘリコプターを搭載可能で、揚陸艇を運用するための特別なドックを備えている。

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日本が南西の海域で軍事力を拡大するのはこれが初めてではないと、中国社科院地区安全研究センターの杨丹志・主任助理が述べた。

「日本は現在、南西方面の防衛拠点を強化している。すでに南西地域の諸島に水陸機動団を展開。例えば、尖閣諸島(釣魚群島)周辺では安全保障を脅かす複数の事態が起きている。水陸機動団を展開した場合、日本は迅速に攻撃を加える可能性を手に入れるだろう。そのため、水陸機動団展開の重要な性質とその潜在的な危険性は国際社会の一定の注意を引いた。今、日本は水陸機動団の地上部隊を軍艦に展開する方針だ。実質的にこの展開は、日本が国境外の危機的状況に巻き込まれ、関与し、先制攻撃を行う可能性を意味する。自衛隊は攻撃的な兆候を帯びはじめ、防衛から攻撃へと発展コンセプトを変えている」

岩屋毅防衛相は最近、沖縄県の宮古島を訪れ、「わが国防衛の最前線」と述べた。さらに、日本がこの海域における中国の軍事的野心を懸念していると改めて述べた。中国への懸念を念頭に、岩屋氏は3月末に新設した沖縄県宮古島の陸自駐屯地に来年3月、地対空・地対艦ミサイル部隊を配備すると説明。改良型の12式地対艦誘導ミサイルの射程は最大300キロとなるが、宮古島から尖閣諸島までの距離は200キロほど。

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日本が国境付近で軍事活動を活発化させることに対し、中国が静観しないことは明白。一方で、海自艦への水陸機動団の配備という新たないらだちの種について、ワレリー・キスタノフ氏は、「総じて2国間関係には一切影響がない」と見る。「米国という要因」が日中に接近に向けた新たな強力なインセンティブを作り出していると指摘した。

「米国は非常に強硬で、積極的かつ攻撃的な貿易政策を日中に対して取っている。そのため、日中には接近の理由がある。このインセンティブは、領土問題を含む対立を脇におき、経済関係強化を可能にした」

毎日新聞が13日に報じた記事も、この見方を支持している。記事によると、日中政府は、安倍晋三首相が年内にも訪中する調整に入った。

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