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ロシア科学アカデミー極東研究所・日本研究センターのワレリー・キスタノフ所長は、今回の訪日には、北朝鮮と中国、ロシアに日米安保条約が揺るぎなく、強まる一方だと示す大きな目的があると見る。
「同盟国間のこの議題は新しいものではないが、今、東アジアの国際関係不安定化を受けてアクチュアルなものになっている。トランプ氏は新天皇と初めて会見する国賓になる。G20サミットに出席するための続く大阪訪問は、わずか1ヶ月の短い間しかはさまず、トランプ氏がどれほど日本と安倍氏との個人的な関係を評価しているかをさらに強調することを目的にしている」
キスタノフ氏は、トランプ氏が今回の訪問で日本に対する厳しい声明はないだろうとの見方を示した。
「トランプ氏の5月の訪問は、日米間の貿易を巡る意見の相違を背景に押しやることを目的にしている。日本への経済的な圧力は残るが、非公開で行われるだろう。トランプ氏は依然として、日本が米経済により多く投資し、日米貿易の赤字解消に向けより活発な措置を取るべきだと考えているからだ」
ロシアの東洋学者であるドミトリー・ストレリツォフ博士(歴史学)もまた、今回の訪問で貿易経済に関する議題はおそらく協議されないだろうとの見方を共有する。
「第一にまず、北朝鮮への歩調を合わせた方針の策定に関する意見交換が行われるだろう。戦略的同盟国である日米関係で衝突しかねない点だからだ。これは北朝鮮の核問題解決に対する異なる見方で現れる。北朝鮮との協議を一時停止した一方で、米国は北朝鮮とディールを結ぶ用意がある。日本は依然として、この取引で日本の国益が十分に考慮されない可能性を懸念している。これは、トランプ氏の5月の訪日の主題が日本を安心させることだと示唆する。そして、この取引が成立するならば、取引の条件策定に日本の外交が組み込まれる可能性もあり、これは日本にとって非常に重要だ」
ストレリツォフ氏は、北朝鮮問題の協議は、トランプ氏がG20サミット直前に別に訪日する必要があると考えた一因だろうと指摘する。
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