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経団連・日本ロシア経済委員会の朝田照男委員長(丸紅常任顧問)は、3月14日に東京で行われた「B20サミット」の成果と、日露デジタル協力の展望について発言し「ロシアのスタートアップがしのぎを削って活躍しているのは勇気付けられる」と話した。
ロシア側からは日本に出発する直前のマキシム・オレシュキン経済発展相や、前サハリン州知事で日本と縁の深いオレグ・コジェミャコ沿海地方知事、日本の製造業との協力で成功を収めたSOLLERSのワジム・シュヴェツォフ社長らが登壇した。コジェミャコ知事は極東における日系企業の安定的な活動は喜ばしいと話しながらも、文化面の交流の意義を強調し、「ウラジオストクにはボリショイバレエ学校の分校もある。日本人にぜひ学びにきて欲しい」と呼びかけた。
ロシアに積極投資し大成功を収めているJT(日本たばこ産業)からは岩井睦雄代表取締役副社長が出席した。JTはロシアに1999年に本格参入。昨年はロシア国内第四位のたばこ会社の買収に成功し、ロシアでトップのシェア(約4割)を誇っている。オフィスと工場、その他の拠点などで約5000人の雇用を創出している。現在はロシアで義務化された製品完全追跡システムの構築にいち早く取り組んでいると紹介。「違法品の流通の撲滅に向けたロシア政府の取り組みを支持する」と話した。
意外なゲストとして歓迎を受けたのは沖縄県の玉城デニー知事だ。先月、サンクトペテルブルク市内で行なわれた日露地域交流フェスティバルでは、沖縄県の「琉球チムドン楽団」のパフォーマンスが喝采を浴びていた。
観光振興を主目的にサンクトペテルブルクを訪問したという玉城知事。知事によれば、沖縄はもちろんインバウンド観光に力を入れているが、ほとんどはアジア圏からの旅行者だ。沖縄は、ビーチリゾートとしての魅力はもちろん、伝統的な食文化をもつ健康長寿の島として知られており、近年は医療目的で訪れる人も多いという。玉城知事は「観光産業とその他の産業を総合的に展開し、今後、ロシアからの観光客の獲得に積極的に動いていきたい」と意欲を見せていた。
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