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黒川さんはウラルに来る前に同じくウラル出身の小説家パーヴェル・バジョーフの作品を読み、『石の花』の主人公のダニールに感銘を受けた。地元の「オブルガゼータ」紙からの取材に「石に命を吹き込もうとする彼の意気込みは自分に近く、よくわかる」と語っている。
黒川さんが作品のために選んだのは重さ2.5トンの灰色の大理石。黒川さんはポレヴォイ市で2週間の滞在の間、電気工具、ノミ、鏨を駆使して作品を仕上げた。オブジェは2つの球から成り立っており、黒川さんは平和と一体を象徴する作品と説明している。
黒川さんは1984年京都生まれ。筑波大学を卒業後、京都市立芸術大学で教鞭をとる一方で創作活動を続けている。2007年に神戸ビエンナーレ現代陶芸コンペティションで准大賞と、長三賞現代陶芸ビエンナーレで長三大賞を受賞している。