秋田、イージス・アショア報告書で相次ぐ誤り、防衛省の「再説明」は信用できるのか?

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国が導入を進めている地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の配備候補地の一つである秋田では、防衛省に対する疑問の声と不信感が高まっている。それは6月8日の住民説明会における防衛省職員による居眠りから、日を追うごとに次から次へと出てくる調査報告書のミスまで、様々な要因が積み重なった結果である。

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秋田県の担当者は「県としてイージス・アショアの国内配備自体を否定しているわけではない。そこは国の判断」としながらも、イージス・アショアを住宅密集地である新屋に置くとなれば、住民の安全・安心が守られるのか、県として確認する必要がある、と話す。

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「居眠りの件や説明資料の内容の誤りもあり、報告書全体に対する信頼感が揺らいでいます。不信感が払拭できていない状況なので、防衛省に対しては、内容をしっかり精査した上で再説明をしてほしいと求めています。この問題に真摯に向き合う姿勢を示してもらった上で再説明があるのなら、その中身を分析検討したいと思います」

担当者はインタビュー時に「データの誤りがその箇所だけの話なのか、それとも報告書全体に及ぶのかも分からない」と述べていたが、インタビュー後の24日、そして25日にも、立て続けに別の誤りが発覚。嫌な予感があたり、不信感がいっそう強まったことは疑いがない。

しかし、そもそも不信感の発端になっているのは、調査内容云々以前に、「新屋ありき」という姿勢だろう。配備候補地である陸上自衛隊新屋演習場は、県庁や市役所、学校や住宅地、鉄道駅など主要なインフラが隣接する場所にあり、「有事の際には町の全ての機能が失われるのではないか」と不安を漏らす住民もいる。

18日の衆議院安全保障委員会では、野党議員から「地域の安全が他人事で軽んじられている。今後説明すると言っても、同じ結果の繰り返しになるのではないか」「こんなに(住宅地から)距離が近ければ、(新屋は)最初から除外されるはずだ」という追及があったが、岩屋毅防衛相は候補地選定プロセスに関する回答を避け、新屋におけるデータの正確性に間違いはない、と述べるにとどめた。

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国と地元の対立という構図で言えば、普天間飛行場の辺野古への移設をめぐり訴訟合戦に突入した沖縄県の例が思い出されるが、秋田県は、国へ訴訟を起こす可能性については否定している。

「法令上は、国が国の所有する土地に建設する分には、県には止める権限はありません。沖縄の辺野古の場合は、県が公有水面の埋め立て承認の権限を持っているので、あくまでも県の権限である埋め立て承認に関連して訴訟をしていますが、秋田の場合は防衛省の土地に防衛省の施設を建設するということなので、訴訟になることは考えにくいです」

となれば、やはり、意思疎通の場は防衛省の主催による説明会のみになる。しかし、次の説明会が実現したとして、住民が質問をしても「国会答弁風」のちぐはぐな回答しか返ってこないなら、それはとても真摯な姿勢とは言えない。

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