竹島上空の飛行は政治の新たな現実

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日本政府は23日、竹島(韓国名でトクト島)の周囲の日本の領空がロシア軍の早期警戒管制機A-50に侵犯されたとして、韓国に続いてロシアに抗議を申し入れた。一方でこの事件の重要な点はロシアと中国のそれぞれ2機の戦略爆撃機が日本の領域沿いで行っていた合同パトロールであることは間違いない。こうした事態は露中の互いの軍事史上、未だかつてなかったことだった。

第一にアジア太平洋地域でこうした合同飛行があったこと自体、露中間の軍事相互関係が新たな段階に差し掛かったことを物語っている。今までの陸海での合同演習に代わって露中の軍用機、補助機が合同で戦闘訓練タスクの策定をするようになった。

これはの韓米軍事面での相互関係の強化に対する露中の回答となっている。ロシア、中国の一番大きな懸念を呼んでいるのが日韓の領域へのミサイル防衛システムが配備される計画。中でも日本に配備が計画の「イージス・アショア」は、米国のグローバルミサイル防衛システムの中でもロシアを標的とする要素と位置付けられている。それだけではない。ロシアの軍事専門家らは「イージス・アショア」を潜在的には中距離ミサイルの発射に使用できる攻撃システムととらえている。

第2に、合同飛行だったということが偵察行為を匂わせる。これはA-50がこれに使われていたことから断定できる。A-50は空中、海上の標的の発見、随伴に用いられる軍用機で、標的を見つけるとこれを自動システムで司令塔へと通知し、攻撃する戦闘機の管制まで行うことができる。先日の韓国領域で米韓合同演習の枠内では最高で800回の飛来が繰り返され、仮想敵機の迎撃、空中戦、戦闘パトロール、シギント、軍事輸送など様々な戦闘課題の演習が取り組まれた。

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そして最後に、この合同飛行が行われたのは、韓国の防空識別圏であり、同時に日本と中国の防空識別圏が重なりあう領域だったという事実。防空識別圏は国際法の規定を受けない。

国際法の観点からみて重要なのは唯一、領空の範囲が海岸から12海里を限界とする領海の上空を指す点に限られる。竹島付近の領空を侵犯されたとして抗議しているのは日本も韓国もだが、ロシア国防省が反応したのは韓国からの抗議に対してのみで、自国の航空宇宙軍は計画飛行において韓国の領空は侵犯していないと回答している。ロシア国防省は露中の合同飛行は2019年の軍事協力計画の枠内で実施されたものであり、第三国に対してとられた行動ではないと説明している。

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