日本と韓国を「仲直りさせた」直近の例は、バラク・オバマ大統領が2014年にアジアを歴訪したときのことである。彼が設定した三者会談が歴史問題での意見の相違に端を発した新たな緊張を緩和させるのに一役買った。韓国と日本の緊張が特に深刻化した今回、ボルトン補佐官が両国の和解に向けた措置をとるだろうと期待された。しかし、期待は外れた。雑誌『エクスペルト』の分析官であるセルゲイ・マヌコフ氏によると、その理由は、現在、ワシントンの懸念が別の問題にあるからだという。
「もちろんトランプ大統領は、仲介役にはあまり乗り気ではないが、頼まれれば介入する用意があると述べている。しかし、実際のところ、ボルトン補佐官の束の間の同盟国訪問の主要テーマは、ホルムズ海峡の航行の安全確保に向けた多国籍勢力の設立だった。そのため、ボルトン補佐官は日韓対立が三ヶ国同盟に影響しないことを希望すると述べるに留めたのである。アメリカは、日本と韓国が域内の現実的な脅威に集中してくれることを望んでいる。もしかすると、今後、対立がさらに激化すれば、アメリカの外交が日韓の係争に介入することはあるかもしれないが、それはあくまで、この係争がアメリカ、韓国、日本の防衛同盟を現実的に脅かし始めた場合のことである。それはつまり、日本がやはり特権を享受する貿易相手国の「ホワイトリスト」から韓国を除外し、韓国が報復措置として諜報情報の交換に関する合意から脱退する場合である。」
一方で、ロシア政府付属金融大学のゲヴォルグ・ミルザヤン准教授は、アメリカの中立的立場を肯定的に評価している。
「アメリカは、日本と韓国が自ら解決することを求め、できるだけこの係争から距離を取ろうとしている。もちろん、アメリカは実際にそうなると期待してそのような行動を行っているのだ。というのも、同じようなシナリオが何度も繰り返されてきたからだ。両国のナショナリストたちは情勢を先鋭化させるものの、時間が経てば静かになる。だから、今回の場合、ワシントンのやり方は正しいと思う。アメリカはどちらかの肩を持ち、日本か韓国との関係を悪化させることはできない。ワシントンは自らが中立的立場をとることで、この対立がより早く収まると考え、介入しないことで問題の悪化を防ぐことに決めたのだ。」
ゲヴォルグ・ミルザヤン准教授は、日韓の貿易紛争は近いうちに解決すると考えている。彼は、アジア太平洋地域で中国の影響力が強まる中、対立激化と分断は日本にとっても韓国にとっても得策ではないと確信している。
日韓の摩擦が最近特に激しくなっています。日本政府は韓国への半導体材料の輸出規制を発動。韓国電機産業の大手に強く影響する可能性があります。これに対し、韓国では日本製品や旅行を含む訪日のボイコットを呼びかける声が一部から上がっています。この対立はどこまで発展すると思いますか?#日韓
— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) July 12, 2019
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