内務総局の情報によると、モスクワ時間14時30分(日本時間20時30分)の時点で、抗議デモの参加者は350人、うち30人が拘束された。モスクワ市議会選で候補者登録を認められなかったデモ主催者の1人、リュボーフィ・ソボリさんも拘束された。
なお非公式情報によると、現時点の拘束者は数百人。
ロシア大統領直属人権問題評議会のメンバー、イーゴリ・ボリソフ氏は、デモでの警察の行動を肯定的に評価し、厳しい措置は取られていないと指摘した。
デモは、ブリヴァール環状道路を行進する形で行われている。人々は1カ所に集まるのではなく、環状道路を行進している。警察は参加者らを環状道路から排除し、解散するよう呼びかけている。
デモは何から始まったのか?
7月の中旬から、モスクワでは、市選挙管理委員会に立候補を承認されなかった、モスクワ市議会選挙の無所属候補者を支援する運動が行われている。立候補が却下された公式な理由は、候補者が立候補のために集めた署名の多くが無効だとされたためである。
最初の集会は7月14日にモスクワの中心部で行われ、公式データによると約1000人がこれに参加した。7月27日に行われた次のデモには、公式データで3000人が参加し、うち1074人が警察に拘束された。権利保護者たちは警察に対し、警察が非公正に権力を行使し、参加者を逮捕したとして抗議している。
7月27日のデモの総括として、大統領府付属・人権委員会はプーチン大統領への報告書を準備している。人権委員会のミハイル・フェドートフ委員長は、抗議活動やデモに関する法律の改正を視野に入れる必要がある、と話している。
反体制派はSNSを通じて、8月3日に行われる非許可のデモに参加するよう呼びかけている。モスクワ市当局は、承認されなかった候補者達に対して、デモに参加するのではなく、中央選挙管理委員会に出向いて、状況を整理するように呼びかけている。また、在ロシア日本大使館も、在留邦人に対し「興味本位で近づいた場合、参加者と間違えられ当局に拘束されることもある。デモ集会が予定されている場所やその最寄り駅にはできるだけ近づかないように」と、メールで注意喚起している。また、モスクワ市当局は、8月10日にアカデミカ・サハロワ通りで行なわれる無所属の候補者の「立候補許可に賛成」するデモの実施を承認した。