官房長官は、クナシル島で8月5日から10日にかけて実施が計画されている射撃訓練について日本は情報収集にあたっていると述べ、1日に外交ルートを通じて「わが国の立場と相いれず、受け入れられない」と抗議したことを明らかにした。
これより前、ロシアのラブロフ外相はロシアが南クリル諸島で行う軍事活動に対して日本側から憂慮が示されたことに関して声明を表し、ロシアの軍事力は自国領内で活動を行っていることを再度指摘している。
南クリル問題
平和条約の不在は長年、露日関係に影を落としてきた。日本は1855年に締結された、貿易と国境についての日露和親条約を参照し、クナシル(国後)、イトゥルプ(択捉)、シコタン(色丹)、ハボマイ(歯舞)島を自国の「北方領土」として返還を請求している。日本政府はクリル諸島返還を、第二次世界大戦終結時に調印されずに終わったロシアとの平和条約締結の条件とした。
ロシア政府の立場としては、南クリルは第二次世界大戦の結果ソ連の一部となり、南クリルへの適切な国際法的手続きを踏んだロシアの主権に疑いはないというものだ。