時事通信の報道によれば、菅長官は、「領土問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針の下で、引き続き粘り強く交渉していきたい」と述べている。
前日6日、上月駐露日本大使はロシア外務省のモルグロフ次官に呼び出しを受け、南クリル諸島でのビザなし交流の日本人参加者が犯した違反について日本政府への抗議文書を手渡されている。モルグロフ次官は、第2次世界大戦の結果、合法的にロシアの主権領土となった南クリル諸島でロシアがとった行動に対し、日本側が示した「抗議は受け入れられない」として、注意を促していた。
南クリル問題
平和条約の不在は長年、露日関係に影を落としてきた。日本は1855年に締結された、貿易と国境についての日露和親条約を参照し、クナシル(国後)、イトゥルプ(択捉)、シコタン(色丹)、ハボマイ(歯舞)島を自国の「北方領土」として返還を請求している。日本政府はクリル諸島返還を、第二次世界大戦終結時に調印されずに終わったロシアとの平和条約締結の条件とした。ロシア政府の立場としては、南クリルは第二次世界大戦の結果ソ連の一部となり、南クリルへの適切な国際法的手続きを踏んだロシアの主権に疑いはないというものだ。