今年2月に打ち上げらた月面探査機「ベレシート」号には変わった荷が積まれていた。それは宇宙空間に人間の知識のアーカイブを作成するために月に送られた人類史の科学データバンクのディスクだった。ディスクにはたくさんの乾燥されたクマムシが取り付けられていた。これらは極小の無脊椎動物でどんな環境でも生き残ることができる。これらの生物を送り出した非営利団体「アーチ・ミッション・ファンディション」のノバ・スピバック代表は、クマムシたちは「ベレシート」号の事故後も月面で生き残ったと確信している。
Meet tardigrades, also known as water bears. These microscopic animals can survive for years without food or water in pretty much any environment—including space. Now, thanks to a crashed Israeli lunar lander, they're on the moon. https://t.co/wbl7Gd4B6c pic.twitter.com/VxuDKC3yDi
— WIRED Science (@WIREDScience) August 8, 2019
団体のツイッターでは、クマムシは「25層のニッケルでゆっくりと凝固するエポキシ樹脂に閉じ込めら」れ確実に保護されたと指摘する。しかし、月面に落下した際に生物たちが飛び散り、月面のクレーターに適応したとはとても考えられない。研究者らは、生物たちが再び活性化するには大気と同様の環境に置かれ水が加えられる必要がある強調する。
Note: actually the Tardigrades were not on any external surface. They were encapsulated in slow cure epoxy inside 25 layers of nickel. A one cm square was included outside the resin but inside the many layers of other materials that contained the payload.
— Arch Mission Foundation (@archmission) August 6, 2019
クマムシ-もっとも生命力の強い地球上の生物
クマムシは科学の世界では有名なユニークな生物。絶対零度での冷凍や摂氏150度での過熱、強い放射線、酸素や水のない状況を克服し、その上、そうした環境で長期間、数十年生き残ることができる。クマムシは極限状況にも順応し、また深い休眠状態に入ることもできる。研究者らは世界の終わりまでこの生物は生き残る可能性があると推測する。
Tardigrades on the Moon be like: pic.twitter.com/zBs2BtDHq4
— Arch Mission Foundation (@archmission) August 6, 2019
クマムシのサイズは1ミリ以下で頭と8本の足がある。極限状況ではこの生物は頭、そして外肢を失うが、その後、再生させる能力がある。この驚くべき生命力のおかげでクマムシは月面への送り出しに選ばれた。