三六軌間は日本標準
南サハリンが日本施政下であった時代(日露戦争後から第二次世界大戦終了まで)に敷設された鉄道の軌間は1067mm(三六軌間)であった。一方、ロシアの軌間は日本より広い1520mmだ。
ロシア基準への変換 島には利益
サハリン州のヴァレリー・リマレンコ知事臨時代行は、ロシア標準の軌間への変換とロシア鉄道RAZ形気動車の導入で、地域には経済効果があると期待感を表している。
今まではロシア本土からサハリンへフェリー輸送される鉄道車両は、連結器付きで運ばれてきたが、ロシア基準の軌間への変換が終了したことで、日本式に対応するための台車は取り付けが不要になる。
列車の走行速度にも変化が現れる。これによりサハリンで運行する旅客列車は最高時速は120キロメートルに、貨物列車は90キロメートルまでスピードアップできる。
リマレンコ州知事代行はスピードアップで時間が短縮されることで、「乗客数と貨物の流通量が上昇する」と付け加えている。
サハリンの将来の鉄道は
サハリン島における鉄道インフラの刷新(近代化)プロジェクトは2020年までのロシア連邦交通戦略および国家的優先事項の一つ。その実現に350億ルーブル(約557億円)の投資が見込まれている。
2003年、サハリンで鉄道の大規模な改造が開始。これにより数百キロメートルの路盤の再建、新しい橋の建設、信号システム、通信ラインの刷新、鉄道車両用電線など、利用者や乗客へのサービスの質向上のための新技術の導入が図られている。