まずは陸自中央音楽隊の単独コンサートだ。指揮棒を手にした音楽隊隊長の樋口孝博1等陸佐がにこやかに手をふると、歓声が上がり、演奏が始まった。定番のクラシックからスタートし、続いてソーラン節など日本の民謡、太鼓のパフォーマンス、扇子を持ったダンスが披露された。「カチューシャ」を始めとしたロシア民謡メドレーが始まると、誰からともなく観客が口ずさみ、やがては大合唱になった。音楽と歌声にひかれて更に人が増え、東南アジアや中国からの観光客も輪に加わった。日の丸を持って応援しているロシア人の姿もあった。最後は松永3等陸曹の歌で締めくくった。 観客の中には日本人の姿も多く見られた。ある日本人女性のグループからは、「昼間の部は明るくて、お囃子もあって、楽しかったです」「ロシアの人が一緒に歌ったりして喜んでくれているのを見て、感動しました」「自衛隊の方が、よくモスクワまで来てくれたな、と思って、嬉しかったです。フレンドリーな方が多くてびっくりしました」との声が出た。また、彼女たちが日本人だとわかると、場所取りをしていたロシア人が「どうぞ、前で見て!」と、前に通してくれたという。 |