日本の研究者グループは、オホーツク海沿岸で正体不明の鯨の死骸6体を収集した。これらの鯨はすでにツチクジラとして知られていたものに似ていたため、当初はツチクジラ属と判断された。しかし、これらはこの種の他の鯨とはまったく異なることが分かった。
So much yet to discover in the world's oceans! Welcome Berardius minimus -- a new species of LIVING beaked whale described by Yamada et al. (including @NMNH's Curator Emeritus J. G. Mead) in @SciReports #OA https://t.co/DE31trF8kD pic.twitter.com/vONuVczdV0
— Nick Pyenson (@PyensonLab) August 30, 2019
研究者らはこれらの鯨を詳細に分析した。その結果、成熟した個体の体長がツチクジラ属よりも明らかに小さいことが判明。またDNA解析により、発見された鯨はすでに知られているツチクジラ属のどの種にもあてはまらないことが確認された。個体のサイズが比較的大きくないことから、研究者らはこの鯨を「Berardius minimus(ベラルディウス・ミニマス)」と名づけた。
Scientists from Hokkaido University and the National Museum of Nature and Science in collaboration with other institutions identified a new #whale species Berardius minimus along the coast of #Hokkaido.
— Hokkaido University (@HokkaidoUni) September 3, 2019
Read the story: https://t.co/qzyhorermM pic.twitter.com/uAS69uhOKz
研究チームの中心メンバーである北海道大学の松石隆教授は、「『ベラルディウス・ミニマス』についてはまだ私たちが知らない多くのことがある。私たちはこれまで成熟したメスの個体がどのようなものであるか知らなかった。そのほかにもたくさんの研究課題がある。研究を継続し、この種に関する知識を広げていきたい」と強調した。
ツチクジラ属の鯨はシャチやマッコウクジラ、イルカなどと同類。これらの鯨は深海を好み、よく移動することから、研究者らによる調査や観察が困難となっている。