新種翼竜は「クリオドラコン・ボレアス」と命名された。アズダルコ科に属し、約7700万年前の白亜紀に生息し、翼開長は10メートル、重量は250キロに達し、他の巨大な翼竜と並び史上最大級の飛翔動物となる。
クリオドラコンの化石は30年前にカナダ・アルバータ州で発見されたが、ケツァルコアトルスと呼ばれる米テキサスで発見された翼竜に分類されていた。しかし幼体の化石の一部や成体の巨大な首の骨を詳しく調べたところ、新種の化石と判明した。
Scientists including our Dr. François Therrien studied pterosaur material from Dinosaur Provincial Park to identify a new flying reptile genus and species, Cryodrakon boreas: https://t.co/jvZ9QoJ2yF pic.twitter.com/bX56Qrwvas
— Royal Tyrrell Museum of Palaeontology (@RoyalTyrrell) September 10, 2019
他のアズダルコ科と同様に、クリオドラコンは肉食で、主にトカゲ、小型哺乳類、さらに恐竜の赤子を食していたとみられる。
多くのプテロサウルス科と異なり、アズダルコ科は地上に生息していたことで知られており、海洋上の長距離を飛行できる能力を持ちながら、内陸環境に適応し、生息していたと考えられている。
論文の筆頭著者であるデビッド・ホーン博士は、「クリオドラコンをケツァルコアトルスとは異なるものとして識別できることは素晴らしい。北米の肉食性プテロサウルスの進化と多様性について理解を深めることができる」と語った。
アズダルコ科の数種はサイズが大きく、また北米、南米、アジア、アフリカ、欧州に広く分布しているにも関わらず、断片的な化石でしか知られていない。その意味でクリオドラコンは貴重な動物となる。