今回の内閣改造で最も注目を浴びたのは、小泉純一郎元首相の次男で初入閣の小泉進次郎氏(38)が環境大臣に、前外務大臣の河野太郎氏が防衛大臣に、そして経済再生担当大臣だった茂木氏が外相に据えられたことだ。
今回の内閣改造でも安倍氏の側近の菅官房長官、麻生太郎財務大臣の2人だけはポストを変えずに残っているが、そのほかのポストはすべて入れ替わり、その大半が今回、初入閣という新たな顔ぶれになった。
「ロシアにとっては悪くないと思う。茂木氏がロシアに否定的な姿勢をとっているという話も聞いたことがない。この人物は様々なポストを務めているし、政府内では経済陣営にいて、経験も豊富だ。それに今まさに経済が露日関係において最も重要視されている。」
ストレリツォフ氏は、平和条約の迅速な締結や国境線の画定問題が時期未定のまま先送りされていることを考えた場合、今、両国関係にとって中心となりつつあるのはまさに経済であり、この傾向は今後、新外相に誰を据えるかということによっても確定してくるとして、次のように語っている。
「これ(茂木氏の外務大臣起用)だけが唯一のこうした決定ではないだろうが、そうだとしても露日関係のコンテキストを見た場合、この起用はシンボリックなことに数えられると思う。」
「河野氏のような重鎮が防衛大臣のポストに抜擢されたことは、日本の外交エスタブリッシュメントで力の強い人材を強化し、日本が今後も外交政治において国防問題に主眼を置くという全体の傾向に照らせば十分ロジカルだ。」
ストレリツォフ氏は、河野氏は安倍氏が大きく信頼する人物であり、自民党総裁を狙う中の一人とみている。河野氏の家系は代々大政治家を輩出しており、河野氏自身、国内での知名度も高いことから、ストレリツォフ氏はこうした人物の防衛大臣への抜擢は「意義深い」と評している。