ライス報道官は定例記者会見で、通商問題を巡る緊張の高まりによるマイナスの影響が出始めていると指摘し、製造業活動には2008年の世界的な金融危機以来の弱体化が見られるとした。
IMFはこれまでも米中間やその他の国の間の通商問題で世界的な経済成長が脅かされているとの見解を示してきたが、ライス報道官はその影響が顕在化しつつあると指摘した。「通商問題を巡る緊張の高まりは単なる脅威ではなく、世界経済に対する実質的な圧力となっている」とし、「われわれの最新の予測によると、米中の関税措置により20年の世界GDPは0.8%押し下げられる可能性がある。押し下げはその後も続く」と述べた。
バンクレートの経済アナリスト、マーク・ハムリック氏はIMFの見解について、米中貿易戦争の終結に対する懐疑的な見方を反映していると指摘している。ハムリック氏は、米中貿易摩擦に対し、「合意の見通しは立っていない」とし、企業活動の懸念が消費者心理にも波及しつつあるとの見方を示した。
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