ロシアでは2009年から国家レベルでのアルコール依存症対策が開始された。同年に、2020年を目途に国内のアルコール依存症の患者数を減らし、これを予防する政策の実現理念が構築された。禁酒の日の9月11日、保健・社会開発省は今まで取り組んできた政策の結果を発表した。
同省発表の報告書には、ロシア国民1人当たりのアルコールの年間消費量が9.7リットルとなり、決して少量とは言えないものの、もはやかつての18リットルではないことが記されている。
これより前に発表された全ロシア世論調査センターの報告では、アルコールを一切摂取しない人の割合がこの1年で減少したことが明らかにされている。それによると全く飲まない人の割合は、2018年は40%だったのが、今年になって33%に減少した。さらに飲酒の頻度については、国民の67%が時々飲酒し、「月に1回以下」が27%、「月に2、3回」が18%、「月に1回程度」が16%、「週に数回」が6%という結果がでた。
アルコールの過剰摂取は世界的な問題となっている。世界中でアルコールが原因で毎年約330万人が死亡。この数値は死者の17人に1人に相当する。死亡理由にはアルコール中毒、日常の飲酒や酒気帯び運転なども含まれる。
WHOの統計では、世界でアルコール摂取量が多いのはモルドバ、リトビア、チェコ、セーシェル、ドイツで、ロシアは16位を占めている。