ハックノル市に住むトーマス・クックさんと花嫁のアメリヤ・ビンチさんは9月18日、ギリシャのロドス島に到着。27日にインドス・プリンセスホテルで挙式予定だった。ふたりはトーマス・クック社を通じてハネムーン旅行を予約していた。
ふたりの後を追って、挙式に参加する人たちもロドス島にやってくるはずだったが、花嫁、花婿には挙式が成り立たない恐れがあると言い渡された。理由は、ハネムーン旅行の中に結婚式、花、ウエディングケーキ、会場の飾り、レクリエーションプログラムが含まれていたからだった。
ふたりはハネムーンを楽しんだ後、10月3日に帰国する手はずになっていたが、トーマス・クック倒産でいつ帰国を言い渡されるかわからないので、そのつもりで、と言われてしまった。
トーマス・クックさんは「トーマス・クックは私が同名なので結婚式にはサプライズを用意しますからね、お楽しみに、といったが、こんなサプライズは私たちは予期していなかった」とこぼしている。
トーマス・クックさんいわく、式には友人、親族30人以上が参加するはずだったが、島に到着しているのはわずか、その半分。ドライバーもまだ英国にとどまっている。
「式の計画には2年を費やしましたよ。ところが全部台無しです。これ全部、支払いは終わっているんですよ。なのに全滅。何をどうしたらいいか、皆目わからない」とトーマス・クックさんは当惑している。
ふたりはこの旅行に1万ポンド(およそ134万円)近くを支払っている。
クックさんたちは一緒に暮らし始めて12年。ふたりがロドス島を選んだのは、外国で挙式したかったのと、ロドス島での結婚式は英国本土よりも安くついたからだった。
花嫁のアメリアさんは、「ひどい話です。これだけの会社にこんなこと起きるとは誰も思わないでしょう。だから私たちはトーマス・クックを選んだんですから。ところが今度はずっと高くついてしまったわ」と嘆いている。