ロシア人は現金収入を得るために地方を離れ大都市に向かったり、また、家族や親せきを訪ねようと大都市から故郷へ定期的に戻ったりする。2018年のデータによると、回答者の56%が去年1年間で少なくとも一度は旅行に行き、そしてそのほとんどがロシア国内を旅行している。また、モスクワ住民の64%が地方を旅している。
「ガタンゴトン」を聞きながら
旅行会社「USF.Travel」の回答者の大部分は、車窓から風景が変化する様子を眺めたり、音楽を聴いたり、眠たり、読書をしたりする列車の旅に満足していると答えたのに対し、列車で隣り合う人との出会いが好きと答えたのはわずか4%にとどまった。
この調査によると、ロシア人旅行者の33%が、車窓の風景を楽しんでおり、その理由として、ロシアの自然はどの季節も美しく、多様な動植物が息づいているからと答えている。
列車の中で何をするのが好きかとの問いには、音楽を聴くが25%、続いて、16%は列車の車輪の音を聞いていると眠りに誘われると答えている。続いて15%が読書で、その大半が旅へは電子書籍の携帯を選んでいた。
列車旅で隣り合う旅行者とコミュニケーションをとる、映画を見ると答えた人はそれぞれ4%。また、列車に揺られている間もソーシャルメディアから離れられないと答えた人は全体の3%いた。
面白いことに、列車旅で音楽を聴いて過ごすのは男性のほうが女性より著しく多い。その一方で、列車の中で読書をする女性は男性の2倍だ。
さらに、調査の結果、車窓の風景を眺めるのが大好きと答えた人の数は男女とも同じ比率で、また列車の車輪がレールにガタン、ゴトンとあたる音を枕にまどろむのが好きと答えた人も男性も女性も同じ割合だった。
この調査で様々な世代を比較したところ、一人で車窓の風景を楽しむ行為は若者にも中高年にも人気があることが分かった。このことから、自然を愛でることこそが、ロシア人が旅にもとめる醍醐味であることが明るみになった。