しばらくしてフォーマットの承認についてゼレンスキー大統領は臨時ブリーフィングで明らかにし、「『ノルマンディー・フォーマット』での首脳会議の実施を阻んできた最後の障害が取り除かれた」と語った。ゼレンスキー氏は「我々は近いうちにも日時を発表する」として、ウクライナが「シュタインマイヤー・フォーマット」を承認したことを明らかにした。
「シュタインマイヤー・フォーマット」とは何か
「シュタインマイヤー・フォーマット」とは独元外相で現在、独連邦大統領のフランク=ヴァルター・シュタインマイアー氏がミンスク合意の実現順序について行った提案で、特にドンバスの特別地位の導入および恩赦、キエフ当局の支配の及ばぬ領域における選挙の実施をどうするかが記されている。提案自体は2015年10月、「ノルマンディー4者」の代表らの集まる席で行われていた。
「シュタインマイヤー・フォーマット」が提唱するのは、ウクライナ東部ドネツク州、ルガンスク州でキエフ政権の管轄が及ばぬ地域での選挙実施の当日は、これらの領域の特別地位に関する法律を一時的に発効させるというもの。ただし欧州安全保障協力機構(OSCE)と国際監視団が選挙の成立を認めた後は、この法律は恒常的に機能する。その後、今まで両州を実効支配してきた当局は、ロシアとウクライナとの国境コントロール権をキエフ当局へと引き渡す。
ウクライナの反体制派は合意に異議
最高議会(ラーダ)の副議長で「ヨーロッパの連帯」党(旧称、ペトロ・ポロシェンコ・ブロック)のイリーナ・ゲラシェンコ氏は、ウクライナ問題のコンタクト・グループが結んだ合意はウクライナ政権に一方的な義務を押し付けるものとの見方を示している。
ゲラシェンコ氏は「これまで何年もの間、我々はクレムリンの罠にはまらずにすんできたが、今度は罠に引きずりこまれている」と立腹し、これはすべて「プーチンの計画」と決めつけた。
ゲラシェンコ氏はミンスク合意は双方向の性格を持っており、ロシアはドンバスから軍を撤退させ、ウクライナ政権に国境の管理権を渡すことを義務づけられていたが、これではウクライナが自分が起こしたわけでもない戦争に対して責任を負わされることになると主張している。
プーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の交渉
ウクライナのゼレンスキー大統領は未だにプーチン大統領と直接会う機会をもっていない。ただし電話会談の形では3度実施されていることは明らかにされている。
ゼレンスキー氏はここ最近、プーチン大統領とは独露仏ウクライナの「ノルマンディー・フォーマット」で会う構えであるという声明を数度にわたって表している。10月1日、マクロン仏大統領は「数週間以内に」首脳会談の実施を検討していることを明らかにした。