戦没者の遺骨収集事業をめぐっては、シベリア抑留者597人分の遺骨について日本人のものではない可能性が浮上した。これに伴い、厚生労働省は専門家チームを設置し、これまでの鑑定方法に問題がなかったか検証を進めることにした。
遺骨収集事業では、シベリアだけではなくフィリピンで収集した一部の遺骨についてもDNA鑑定した専門家が「日本人ではない」と指摘していたほか、パプアニューギニア東部のブーゲンビル島で収集された遺骨についても鑑定書を見た複数の専門家が「子どもの骨が混ざっている可能性が高い」などと証言している。
また、遺骨を持ち込んだ現地住民には、1日当たり1200円程度が厚生労働省から「労賃」として支払われており、住民の中には謝礼目的で無造作に遺骨を集めているケースもみられる模様。
このため専門家チームは、これまでに南方の戦地で収集されDNAを抽出している995人分の遺骨についても、来年度以降に鑑定を行い、日本人のものかどうか改めて確認する方針を決めた。