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頭がないのに考え、口がないのに食べる? 720もの性別をもつ謎多き生物がパリ動物園に登場

© AFP 2023 / STEPHANE DE SAKUTINブロブ
ブロブ - Sputnik 日本
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フランスのパリ動物園に、脳、目、口、胃を持たない黄色の単細胞生物「フィサルム・ポリセファルム(多頭粘液の意)」が新しい仲間として加わった。この生物は菌類のようなものだが、十分に意思を持って生活しているという。ロイターが報じた。

単にぬるぬるした何かだと思う?いや、知性をもつ生物だ!

報道によると、明るい黄色の小さな塊状の粘液は「ブロブ」と名付けられた。その外見と動きが1958年に米国で公開された映画「ザ・ブロブ(邦題:マックイーンの絶対の危機)」で地球上の生物を捕食して増殖する粘液状の宇宙生物ブロブを彷彿とさせたからだ。

ブロブは驚くべき生物だ。目がないのに食べ物を見つけ、口もないのに食べる。そして、胃袋もないのに食べ物を消化する。ブロブにはオスとメスの性別はないが、なんと720もの性別を持つ。ブロブは個々の生物として分裂し、また1つの塊に合体することもできる。ブロブを半分に切ると2分で完全に合体する。高レベルの再生能力だ。

ブロブは全く動かないように見えるが、1時間に4センチの速さで動く。

さらに、ブロブは迷路の出口を見つけ、新しい情報を難なく記憶できる。つまり学習能力がある。研究者らは、2個のブロブを合体させた場合、より経験豊富なブロブがもう片方のブロブに情報を伝え、伝えられた方はそれを覚えることに気づいた。また例えば、ブロブは危険な物質をも記憶し、それを回避することもできる。

大自然の神秘

このような単細胞生物が出現したのは5億年前と考えられているが、初めてその存在が話題になったのは1973年5月、米テキサス州の女性が自宅裏庭で急成長している「黄色の斑点」を発見してからだ。今日では、ブロブは通常ヨーロッパの森林土壌にみられる。温度19~25度、湿度80~100%の環境で生存可能だという。

パリ動物園は国立自然史博物館の一部であり、同館ブルーノ・デイビット館長は、「ブロブは生き物であり、自然界のの1つです。これが何であるのか今は何もわからないが、将来的には解明されるかもしれません」と語っている。

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