このボーイング社の発表に先行して、23日、インドネシアの調査官は、2018年10月29日に起きた同国の格安航空ライオン・エアの「ボーイング」墜落事故の原因は、操縦特性増強システム(MCAS)に問題があったと報告していた。
MCASは、操縦時に機首が極端に上向きになった場合、これを下げるようパイロットの操縦を制御するシステム。
ボーイング社はこの調査に基づき、MCASの改良作業を終えており、現段階では定期運航再開について交渉中であると発表した。
同社のデニース・ミュレンバーク社長は、「我々の優先事項はボーイング737Maxの安全な運航再開であることに変わりない。これにむかって着実に前進するよう目を光らせている」と述べている。
ボーイング社はまた、ボーイング737Maxの訓練プログラムを刷新しており、現在は2020年初頭までに運航許可が下りるのを待っている状態であることを明らかにした。
ボーイング737Maxの運航許可は、手順としてはまず、米国連邦航空局が出す。その後、欧州の航空当局もこれにならう可能性があるものの、現段階では欧州はボーイング737Maxの運航再開については控えめな見通しを示している。
2件の墜落事故で346人死亡
2018年10月29日、インドネシア大手LCCライオン・エア所有の、運用開始間もないボーイング737Maxがジャワ島沖合いで墜落。189人が死亡した。
それから半年もたたない2019年3月10日、今度はエチオピア航空所有の、同じく運用間もないボーイング737Maxが、離陸6分後に時速700キロ超で前のめりに地面に直撃。機首が地面に突き刺さった。墜落の衝撃はあまりにも大きく、現場には直径数メートルのクレーターが形成されるほどだった。この事故で157人が死亡した。
これだけの惨事を起こしたことから、ボーイング737の開発、製造の歴史に専門家らの注目が集まった。ボーイング737の運用開始は1968年。機体の技術開発やその他全般は、1950年代にさかのぼる。