スプートニク:「1年前のあるインタビューで、『スポーツ選手としての人生で自分が会得した一番大事な教訓はなにか』という質問に、『ミスに固執して、堂々巡りして自分をいじめないこと』と答えておられましたが、今のご自身は同じ問いにどう答えられるでしょうか。」
スプートニク:「常にそのプロセスをエンジョイできていますか?」
チェン:「そりゃ、いろいろだよ。すべてが最高にうまくいく時もあれば、自分を激励して『幸せを感じろよ、喜べよ』と繰り返し唱えなきゃいけない時もある。でもさ、あと何度大会に出ることができるだろう。例えばフランスでさ。この先、何度も何度も大会に出るチャンスが残されているわけではない。5本の指で足りるくらいの回数だろう。だからさ、毎回の出場を大事にしないといけないんだ。」
チェン:「いやぁ、NBAの話はジョークだったんだけどな! そりゃ、バスケットボールは好きだし、接点があれば嬉しいけどさ、このフィールドでキャリアアップしたいとは思っていないよ。僕はやっぱりフィギュアスケートの人生を歩みたい。今、データーサイエンスを勉強しているけれど、絶対にこの分野で仕事をしたいかどうか、はっきりしない。年末までにはどれをベースにしていくか、決められるけど、その後、決意を変えることもできる。データーにしても医学にしても、いずれをとってもフィギュアスケートで得た知識を活かしたいと思っている。ISU用のデーターを分析するにしても、ISUの医療分野で働くにしても、なんらかのかたちでスポーツ選手を助けたい。」
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スプートニク:「勉強に試合に多忙な日々で、自分の好きなことをする時間がありますか? 音楽を続ける
チェン:「少しはありますよ。イェール大学にはピアノがあるから、弾けるし。」
スプートニク:「バンドで演奏することは?」
スプートニク:「一番好きな作曲家は?」
チェン:「答えるのは簡単じゃないな。いいなと思う現代作曲家はたくさんいるし…。でもさ、やっぱりモーツァルトは最高だよ!」
スプートニク:「やはり音楽教育を受けたということはスケーティングには影響しますね?」
チェン:「そうだね。リズムを感じ取る、音楽にどんなニュアンスがあるか、滑るときにこれを教えてくれるからね。」
スプートニク:「ご自身のルーツについての質問です。以前に中国語はあまり知らないけれど、会話はよくわかるとおっしゃっておられましたね。中国の伝統的な祝日を祝ったりはされますか? 中華料理はお好きでしょうか?」
チェン:「うちの親たちは割合スピーディーにアメリカ文化に溶け込んだんだ。だから僕も中国語はあまり上手じゃない。親は子どもたちと話すときは英語オンリーだった。自分たちが早く英語をマスターするためだよ(笑)。でも僕はママとは結構長い時間話をしてきたから、兄弟の中ではまだ中国語を知っているほうだ。伝統行事はね、春節を祝うよ。格別に大々的に祝うわけではないけど、ママは餃子を作るし、家族全員がそろうしね。」
チェン;「日本はどこにいってもものすごく清潔で、すべてが構造的にしっかりしていて、正しくて…。」
スプートニク:「こういうのはいいと思います? それとも好きではない?」
チェン:「好きですよ。すごくいいと思う! みんなとても礼儀正しくて、生活が秩序だっていて、アメリカとはものすごく違う。アメリカでも、みんな親切で礼儀正しくしてくれるけどさ、日本ではね、例えば何か失くしたとするだろう。その時さ、間違いなくみんなが一緒になって探してくれる。これがアメリカだと、何か失くしたとしたら、絶対に永遠に戻ってくることないもの(笑)。それから和食が好き。特にラーメン! ラーメンは何が入ってるのか絶対に分かった試しがない。けど、中身がわからなくても、絶対にすごくおいしいんだから。」
GPシリーズ2019
GPシリーズは、6大会で構成されている。今シーズンはラスベガス(米国、10月18日〜20日)、ケロウナ(カナダ、10月25日〜27日)、グルノーブル(フランス、11月1日〜3日)、重慶(中国、11月8〜10日)、モスクワ(ロシア、11月15〜17日)、札幌(日本、11月23日~25日)で開催され、男女シングル、ペア、アイスダンスの成績上位6名(組)が、トリノ(イタリア、12月5日~8日)で開催されるGPファイナルに出場する。
優勝賞金は1万8000ドル。なお2人組で行うペアとアイスダンスは1組で同額。2位は1万3000ドル、3位は9000ドル、4位は3000ドル、5位は2000ドル。