東芝は感染症検査用などで販売している遺伝子検査チップをもとにこれを開発。がん細胞が血液中に放出する核酸分子の濃度を検出する仕組みで、がんにかかっているかを99%の精度で識別することに成功した。
血液1滴から13種類のがんを発見できる検査キットを、東芝が開発しました。半導体などの技術を活用し、大きさが1センチに満たない早期がんも2時間以内に99%の精度で判定。人間ドックなどで実用化を目指します。https://t.co/iSOTr8AUFW
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) November 25, 2019
2020年にがん患者を対象に実証試験を始め、2021-22年に人間ドックの血液検査などで実用化することを目指している。開発には東京医科大学や国立がん研究センターが協力した。
検査結果は血液採取から2時間以内で判明。装置は持ち運び可能な小型タイプで検査価格は2万円以下を想定している。
東芝は血液中にあり、遺伝子やたんぱく質を制御する核酸分子「マイクロRNA」 に着目。研究開発段階で大腸がん、胃がん、肺がんなど13種類のがんと健常者の血液中のマイクロRNAの濃度を測定し、99%の精度でがんの種類を識別することに成功した。「ステージ0」の初期がんも検出できたという。
同社は2016年に医療機器事業をキャノンに売却したが、2018年に医療事業への再参入を表明。今回開発したマイクロRNA検出技術を用いることで、高精度のがんの早期発見が期待され、早期の治療が可能になり患者の生存率とQOL向上に貢献できるとしている。
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